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50年前に購入したフィアット「X1/9」との壮絶イタ車泥沼生活とは? 21年ぶりに路上復帰したオリジナルコンディションをキープした1台を紹介します

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • フィアット X1/9:13インチホイールの銘柄はクロモドラ。いまでもオリジナルペイントで頑張っている
  • フィアット X1/9:50年前から日本を走ってきたX1/9は僅少だろう。取材当時のメーター上の総走行距離は6万7707km
  • フィアット X1/9:エンジンはオーバーホール済み。マフラーやブレーキなどは純正品をいまでも使っている
  • 新車からのワンオーナーなので、シートもいい状態を保っている。ドアの内張りもキレイだ
  • フィアット X1/9:インテリアもカーナビなどを後付けしている以外はオリジナルをキープしている
  • フィアット X1/9:ロイヤルモータースの車検証入れやオーナーズハンドブックといったアイテムも揃っている
  • 1974年式のフィアット X1/9とオーナーの“hirodent”さん。1989年2月に購入した日産 初代シーマにも乗っている
  • フィアット X1/9:各部を直しながらも、なるべくオリジナルを保つように努力してきたそうだ
  • フィアット X1/9:リトラクタブルヘッドライトを採用

第1回 伊勢崎オートモービルフェスタでX1/9を発見

2024年6月2日に群馬県伊勢崎市にある伊勢崎市オートレース場駐車場で実施された「第1回 伊勢崎オートモービルフェスタ」は、自動車趣味人が多い群馬だからこそ行うことができた催し。スーパーカーから国産車まで多彩なクルマが集まりました。今回は、フィアット「X1/9」のオーナーのリアルな声をお届けします。

半世紀にわたって所有

趣味車が大挙して集まるイベントに行くと、新車からワンオーナーで大切にされてきたクラシックカーと出合うことがある。今回取材した1974年式のフィアット「X1/9」も、“hirodent”さん(74歳)が半世紀にわたって1人で所有してきたクルマだ。

「初期登録は1974年7月9日でした。当時X1/9は新車価格が189万円だったと記憶しています。といっても自分で購入したわけではありません。私の名義で父親に買ってもらいました。弟が通っていた高校の通学路にロイヤルモータースの販売代理店があり、そこのショールームに白いX1/9が飾ってあったので、ねだりにねだって買ってもらったのです」

“hirodent”さんは20代前半のときにイタリア本国にあるフィアット・ショールーム内に飾られていたX1/9を遠くから見て欲しくなり、その想いを成就させたのだ。

スーパーカー全盛期にはガレージに子どもたちが襲来

“hirodent”さんがリトラクタブルヘッドライトを持つX1/9のオーナーになった頃から、子どもたちの間でスーパーカーブームとなったので、全盛期には自宅のガレージにカメラ小僧が襲来し、エンブレムを剥がそうとする者までいたらしい。

「買ってから1年ぐらいは、街中を走っているときに振り返ってくれる人が多かったですね。しかし、良いことばかりではありませんでした。イタリア車は、故障、雨漏り、錆が常識だとは知らずに購入してしまったからです」

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