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タイヤで“線”を踏むことに1000分の1秒を競う!クラシックカーの「線踏み」練習会のシビアさがすごい

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

  • 7回目の「SEVEN FOREST CLASSIC」。初日の会場となる福島市にあるリンクサーキットに、27組の「線踏み」愛好家が集結した
  • ボードに書かれているのは、リンクサーキットのコースでの「線踏み」の区間指示速度だ
  • コース説明をするのは、主催者の小嶋さん。高低差のあるリンクサーキットでの「線踏み」は、上りも下りも速度調整が難しそうだ
  • 位置を確認し、フロントタイヤが見やすい位置にマーカーを貼り付ける参加者たち
  • 位置を確認し、フロントタイヤが見やすい位置にマーカーを貼り付ける参加者たち
  • ダッシュボードに装着されたこのボックスは、区間タイムを打ち込みカウントダウンしてくれる計測器だ
  • ほとんどの車両がカウントダウン装置を装着しているが、アナログなメモも残している。ロストした時など、咄嗟の時に役に立つのだろう
  • ほとんどの車両がカウントダウン装置を装着しているが、アナログなメモも残している。ロストした時など、咄嗟の時に役に立つのだろう
  • ほとんどの車両がカウントダウン装置を装着しているが、アナログなメモも残している。ロストした時など、咄嗟の時に役に立つのだろう
  • ほとんどの車両がカウントダウン装置を装着しているが、アナログなメモも残している。ロストした時など、咄嗟の時に役に立つのだろう
  • リンクサーキットで「線踏み」競技練習会の順番を待つ参加車両
  • 区間チェックの方法は、身を乗り出して確認するなど、ペアによってさまざまだ
  • 区間チェックの方法は、身を乗り出して確認するなど、ペアによってさまざまだ
  • 区間チェックの方法は、身を乗り出して確認するなど、ペアによってさまざまだ
  • 区間チェックの方法は、身を乗り出して確認するなど、ペアによってさまざまだ
  • エアレースで人気の日本人、室屋義秀選手の活動拠点である福島スカイパークが2日目の競技練習会場だ。コース準備をするスタッフは、偶然にも室屋選手のテイクオフを見ることができた
  • ヘッドセットを用いて意思疎通を図るペアも多かった
  • 2日目の第一練習会場、福島スカイパークに集まった参加車両
  • 2日目の第一練習会場、福島スカイパークに集まった参加車両
  • 福島スカイパークの長い滑走路の直線を生かした「線踏み」の順番を待つ参加車両
  • 福島スカイパークの長い滑走路の直線を生かした「線踏み」
  • 福島スカイパークから第二会場のスカイピアあだたらまでのプチツーリング。パガーニ・ランチアに続いてブガッティT40が走る
  • スカイピアあだたらの駐車場にパイロンを立てて「線踏み」を行った
  • スカイピアあだたらの駐車場にパイロンを立てて「線踏み」を行った
  • スカイピアあだたらでは、ドライバーとコドライバーを交代した「チャレンジアタック」も行われ、参加者たちはいつもと違った立場を楽しんでいた
  • スカイピアあだたらでは、ドライバーとコドライバーを交代した「チャレンジアタック」も行われ、参加者たちはいつもと違った立場を楽しんでいた
  • 会津地域から始まった競技練習会。もちろん、上位入賞者には名産の「赤べこ」でできたトロフィーが贈られた
  • 区間チェックの方法は、身を乗り出して確認するなど、ペアによってさまざまだ
  • 区間チェックの方法は、身を乗り出して確認するなど、ペアによってさまざまだ

指定された区間をいかに設定時間に近いタイムで走るかを競う

クラシックカーラリーの“線踏み”練習会「SEVEN FOREST CLASSIC」が7回目を迎えました。1000分の1秒単位で区間タイムを競うPC(Prove Cronometrate)競技は、複数区間が連続するほど難易度が上がります。福島・七ツ森の愛好家が仲間と始めた小さな集まりは、全国から27台が集う本格練習会に成長。リンクサーキットや福島スカイパークを舞台に、ドライバーとコドライバーが息を合わせて“線”を踏む技を磨き、懇親会では赤べこトロフィーを手に交流を深めました。

手弁当のお遊びイベントから本格的な練習会へ

クラシックカーラリーの楽しみのひとつにPC競技がある。駐車場などのクローズドされた場所で、決められた区間を、主催者が設定した通過時間にいかに近づけて走れるかを競う競技だ。その精度は1000分の1秒単位という超シビアな争いになる。

距離の計測方法は、フロントタイヤが最初のセンサーを踏むとタイム計測が始まり、次のセンサーを踏むことで通過時間がわかる仕組みだ。このセンサーが棒線状であることから、この競技は「線踏み」と呼ばれている。

多くのクラシックカーラリーでは、このPC競技が順位付けの基準となるため、「線踏み」のタイム差をいかに少なくするかが勝利への鍵となる。区間が1カ所だけなら、キッチンタイマーでのカウントダウンや、時には腹時計でも奇跡的にぴったり合うこともあるだろう。

だが、PC競技の醍醐味は、ひとつ目の計測区間の終わりが次の区間のスタートとなり、それが何連続も続く「連続PC」と呼ばれる競技にある。これをいかにクリアするかが、クラシックカーラリーの面白さのひとつだ。

秋のイベントシーズンを前に、オフシーズンである真夏に本番へ備える愛好家たちが集まる「線踏み」の練習会が、この「SEVEN FOREST CLASSIC」だ。福島県磐梯山を臨む七ツ森に住むクラシックカー愛好家の小嶋さんが、数本のセンサーと計測器を譲り受けて個人的な練習を友人と始めたのがきっかけだった。参加希望者が増えたことから、2023年からは本格的なイベントの計測チームにも協力を仰ぎ、手弁当のお遊びイベントから本格的な練習会へと発展した。

これは商業イベントではなく、少し規模が大きくなった「練習会」だ。スタッフもこの趣味を楽しむボランティア仲間たちで、遠くは熊本から駆けつけるなど、同好の仲間を応援しようという心意気を見せる。

初日の集合場所は、福島市にある「リンクサーキット」。日本各地から27台のクラシックカーが集結した。今回は最多で11連続の「線踏み」があった。ダッシュボードに区間タイムを書いたメモを置き、カウントダウンをするアナログな方法もあるが、専用の計測機を装着して競技に臨む参加者が多数を占めた。

多くのペアは、コ・ドライバーがフロントタイヤで線を踏むのを確認しながら区間タイムをカウントダウンし、ドライバーは運転に集中して線踏みを行う。センサーを踏むタイヤの位置を確認するインジケーターは、「線踏み」では重要なアイテムだ。会場に着くやいなや、そのセッティングに余念のない参加者たち。なかには、顔をガラスに押し付けて位置を確認し、ドア上部に貼ったマスキングテープと合わせてタイヤの接地面を確認するペアもいた。

2日目は福島スカイパークで競技練習を行い、ランチを挟んでプチツーリングを楽しんだ後、第2会場の「スカイピアあだたら」へ向かった。ここでは、ドライバーとコドライバーを交代しての「ナビチャレンジ」も行われ、大いに盛り上がりを見せた。岳温泉での夕食と表彰式は、同好の仲間との絆を深める懇親会となった。

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