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“足さない引かない”美学!目立たないことが特徴のアルファ ロメオ「1750GTV」

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • アルファ ロメオ 1750GTV:「オーナーもクルマと同じく普通なので、とくに目立ちません」と語る山田さん
  • アルファ ロメオ 1750GTV:助手席は外され、荷物置き場になっている。ステアリングはヘレボーレの革巻き33cm。メーターはノーマル、シートはナニワヤの小型タイプ
  • アルファ ロメオ 1750GTV:トランスミッションはノーマルのままだが、現在1~3速までのシンクロがガタガタだとか
  • アルファ ロメオ 1750GTV:普通に動くことを第一に、エンジンはオーバーホール時に排気量はそのまま、ハイカムとハイコンプだけをセット。キャブは40φウェーバー
  • アルファ ロメオ 1750GTV:タイヤはダンロップ DIREZZA 03G R3コンパウンドでサイズは195/60R14。ホイールはMOMO Vegaで6J×14インチ
  • アルファ ロメオ 1750GTV:「いろんな意味で自分の寸法に合っている」ため、旧いアルファのクーペを選んだ
  • アルファ ロメオ 1750GTV:幸田ピッコロレース内のクラブマザーヘッド走行枠への参加は今回が2回目
  • アルファ ロメオ 1750GTV:元々付いていたものをそのまま使っており、ブレーキもノーマルだ
  • アルファ ロメオ 1750GTV:クラブマザーヘッド代表の佐々木さんが愛用する2000GTVとのランデブー走行も楽しんだ
  • アルファ ロメオ 1750GTV:併催された「幸田レンタルカートスプリントレース2025」でも熱いバトルが繰り広げられた
  • アルファ ロメオ 1750GTV:「できるだけ外見はノーマルに」「バンパーは外さない」「ゼッケン以外のステッカーは貼らない」がモットー
  • アルファ ロメオ 1750GTV:サスペンションには、イギリスの老舗メーカー、スパックスのショックを装備

18年間連れ添うアルファで日常使いからサーキットまでを楽しむ

1969年式アルファ ロメオ「1750GTV」を18年乗り続ける山田恭司さん(60歳)は、旧車との暮らしを肩肘張らずに楽しんでいます。愛車として迎えいれたときはボロボロの状態で、サーキットでエンジンとミッションを壊し、さらに追突される事故まで。それぞれの修復過程で整備技術を身につけ、今ではどこへでも走りに行ける頼もしい相棒となりました。外観はあえてノーマルを貫き、ゼッケン以外は飾らない。日常の買い物から遠出まで、“普通”を極めた付き合い方が、山田さんの人生をさらに豊かにしています。

付いているものは外さない!自然体でさらりと乗れるノーマル風

山田さんの愛車は、1969年式アルファロメオ 1750GTV。インターネットの個人売買で購入し、仙台から岐阜まで船で運んだ。購入時はとにかくボロボロで、一般道をなんとか走れる程度に整備。その状態でサーキットを走ったとき、エンジンとトランスミッションを壊してしまい、オーバーホールすることになった。

その後、追突事故に遭い、それをきっかけに外装もリフレッシュ。ショップに入り浸るうちに、できそうなことは店には任せず自分で作業するようになり、随分とクルマに詳しくなったそうだ。

この1750GTVは山田さんが所有してから18年目になるという。正確な購入時期は曖昧で、そのときの走行距離も約5万kmとしか覚えていない。オドメーターが何周しているかも不明瞭だ。現在のメーター上の走行距離は9万9500km。置き系のイベント、サーキット走行会、各種競技、お買い物など、さまざまなシーンで1750GTVを使い倒している。そんな旧いアルファのクーペを選んだ理由を聞いてみると

「いろんな意味で自分の寸法に合っているから」とひと言。

山田さんのこだわりは「できるだけ外見はノーマルにする」「バンパーは外さない」「ゼッケン以外のステッカーは貼らない」こと。

元々付いていたものはもったいないのでそのままにしたいという思いもある。どんな環境でも、清く正しく美しく、そして逞しく、涼しげに乗っていることが彼のポリシーだ。

「愛車との一番思い出深いエピソードは何ですか?」

と質問すると

「楽しいことが多すぎますね。良き友人がすごく増えて本当に幸せです」

最近は油脂類の交換以外は何もしていないそうで

「もう10数年、故障らしいものはなく、快調そのものです」

今後は目的地を決めず、遠くへ旅行したいとか。

ちなみに山田さんが初めて自分で購入したクルマはトヨタ「スポーツ800」。それ以前は父親のお下がりのトヨタ「コロナ」、兄のお下がりのフォルクスワーゲン「ゴルフ ディーゼル」。その後はスバル「レオーネバン」にも乗っていた。現在は、2004年に新車で購入したスバル「レガシィワゴン」と、1999年式プジョー「106」も愛用しているそうだ。

幸田ピッコロレースへの参加は今回が2回目。

「皆さんが本当にいい仲間なので、今回もエントリーしました。次回ももちろん走ります」

彼にとってクルマは人生のスパイスだが、「もう増車するのは無理」と話す。

「私の愛車は、イベントでは普通の外見なので目立たないですし、オーナーもクルマと同じく普通なので、とくに目立ちません。そこがポイントですね。各種工具類を積みっぱなしなので、皆さんには大変喜ばれています」

最後の最後まで独特のワードセンスで楽しませてくれた。そんな山田さんは、ピッコロレースに欠かせない存在だ。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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