ランボルギーニ初のハイブリッドシステムを採用
一方「シアン」という名前は、イタリアのボローニャ地方の方言で「稲妻の閃光」を意味する。シアン FKP37は、当時の12気筒ミッドシップモデルであるアヴェンタドールをベースに開発された。その最大の技術的なトピックは、ランボルギーニとしては初となるハイブリッドシステムを導入したことにある。
当時、ランボルギーニの会長兼CEOを務めていたステファノ・ドメニカリは、このシアン FKP37について次のようにコメントしている。
「自社にとって重要な転換期であり、新世代V型12気筒エンジンの開発を加速させるもの」
ハイブリッドシステムは動力性能と環境性能を高次元で両立させるために、これからのランボルギーニ車にとって欠かせない技術であることを世界に強くアピールしてみせたのだ。
アヴェンタドールと共通の軽量で高剛性なカーボン製センターモノコックには、シアン FKP37専用の前後サブフレームが組み合わされる。そのリアに搭載されるパワーユニットは、最高出力785psに強化された6.5LのV型12気筒エンジンと、同じく34psを発揮するエレクトリックモーターで構成されている。バッテリーには一般的なリチウムイオンバッテリーではなく、アメリカのマサチューセッツ工科大学と共同開発されたスーパーキャパシタを採用しているのが大きな技術的特長だ。システム全体の最高出力は818psと発表された。
2025年で設立20周年を迎えたランボルギーニ・チェントロ・スティーレによって生み出されたボディは、きわめて刺激的で斬新なデザインだ。ランボルギーニはその生産台数を創業年の1963年にちなんで63台に限定した。2020年には、そのオープン仕様となる「シアン ロードスター」も19台製作されている。
オークションに現れた純正オプションも備える希少な個体
今回モントレー・オークションに出品されたのはクーペモデルの方だった。ファーストカスタマーのチョイスによる「ヴィオラ・アルテア」と呼ばれる深い紫色がボディカラーだ。さらに、当時10万5216ドルの価格が掲げられた純正オプションの「カーボンパッケージ」も選択されている。ブラック系の「ネロ・コスムス」を基調色とするインテリアとのコーディネートも巧みだ。
カタログ作成時点で、オドメーターに刻まれた走行距離はわずか208マイル(約333km)強だった。このモデルは当然のことながらオークションで大きな話題を呼んだ。RMサザビーズは240万ドル~280万ドル(邦貨換算約3億5323万円~4億1210万円)の予想落札価格を提示していた。最終的な落札価格は237万ドル(邦貨換算約3億4880万円)と、ほぼ予想通りの金額だった。このクルマの人気はこれからも不動だろう。











































































































