排気量拡大でレスポンスが向上した5000S
今回RMサザビーズのモントレー・オークションに出品された「5000S」(LP500S)は、LP400Sの後継車として1982年に発表されたモデルだ。その最大の特徴は車名が物語っているように、ミッドのV型12気筒エンジンが4754ccにまで排気量拡大されたことである。
これにより最高出力はLP400の375psにまで回復したが、それと同時にその発生回転数が1000rpmも引き下げられ、レスポンスが大きく高められていることも見逃せない。ドアはさらに大型化され、キャビンへのアクセスは容易になり、メーターパネルのデザインや、エクステリアでの新デザインのフレア付きホイールアーチ採用なども特徴であった。
ランボルギーニはこの5000Sに、キャブレター仕様とインジェクション仕様の両方を設定したが、出品車は6基のウェーバー製キャブレターを組み合わせる前者である。5000Sはトータルでも321台しか生産されていない、希少なモデルである。
ポロ・ストリコ証明書を持つ優良個体
ランボルギーニのクラシック部門であるポロ・ストリコによれば、このモデルは1983年7月12日にイタリア・ボローニャのエミリアン・オートにデリバリーされた後、アメリカのミネソタ州へと送られ、同州のカスタマーに売却され2001年5月まで所有されていたと推定される。
その後オハイオ州のオーナーの手に渡ったこの5000Sは、2015年から2016年にかけて完全なオーバーホールを受け、2017年にはミシガン州で開催されたコンクール・デレガンス・オブ・アメリカで、モダン・クラシック・クラスの1位を獲得した。さらに2024年に再度メカニカルな整備を受けた後、2025年にはポロ・ストリコによるエンジン、ギアボックス・デファレンシャルのナンバーマッチングを含む、正式な証明書を取得している。現在の走行距離は3万7021kmだ。
RMサザビーズは、この1983年式ランボルギーニ カウンタック5000Sに60万ドルから70万ドル(邦貨換算約8030万円〜1億302万円)というエスティメートを設定した。これは、生産台数が321台という希少性への期待も込めた数字である。
実際にその入札が止まったのは63万7500ドル(邦貨換算約9383万円)であった。カウンタックももはや、普通のスーパーカーファンには手の届かない、特別な存在になったといえる。


































































































