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公道も走れずレースにも参加できないフェラーリ「599XX EVO」!それでも599XXシリーズは約4.8億円と超高値で落札

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2025 Courtesy of RM Sotheby's

各所のチューニングでフィオラノでのタイムは2秒も短縮

599XXは、限定20台~30台という若干の幅を持って生産が開始された。2010年から2年間の予定でXXプログラムがスタートしたが、2011年の秋にイタリアのムジェロ・サーキットで行われたフェラーリ主催の「フィナーリ・モンディアーリ」では、そのエボリューション・パッケージが一部のカスタマー向けに披露された。続くボローニャ・モーターショーで「599XX EVO」が正式に発表された。

599XX EVOは、599XXからエクステリアをさらに刺激的な造形へと変化した。ツインプロファイルのダイナミックなリアウイングにはF1由来のDRS(ドラッグリダクションシステム)が統合されている。このシステムは車載センサーによって制御され、スロットル入力やステアリング角度、ヨー角などに応じてダウンフォースを最適化するほか、高速走行時のドラッグを低減する。

排気システムもさらに軽量なサイドエグゾーストへと変わり、サスペンションのセッティングも見直された。エンジンはさらに10psのエクストラを得て740ps仕様へと強化された。結果、フィオラノでのラップタイムは、599XXが1分17秒であったのに対して、一気に2秒を短縮し、1分15秒を記録するに至ったのである。

599XXシリーズはこのEVOモデルを含めても(そのなかには599XXからEVOへのアップグレード車もある)、製作台数はわずかに50台未満である。

その599XX EVOが、RMサザビーズのモントレー・オークションに登場した。同社による予想落札価格は300万ドル~350万ドル(邦貨換算約4億4154万円~5億1513万円)というものだった。

そして前作となるFXX、あるいは後継車の「FXX K」とともに、現在でもXXプログラムに参加する資格を保持していることを考えれば、これはある意味妥当な数字といえる。XXモデルのカスタマーとなることは、同時にフェラーリの最上位カスタマーの名簿にその名を連ねることに等しいのだから。

出品車の599XX EVOは、鮮烈なロッソ・フーコと、シルバーのルーフとウイングを組み合わせたカラーを持つものだ。車両のほかに専用のレーシングフライトケース2個が付属していた。その落札価格は330万5000ドル(邦貨換算約4億8643万円)である。あらためてフェラーリのXXモデルが持つ人気、そしてその価値を知らされた思いだ。

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