ティーポEのキャブレターをミッションに改良を施した進化系246GT
246GTのティーポEがとくに大きな特徴とするのは、スチール製のボディパネルが大型プレス加工で製作される量産構造へと改められた点である。その他のディテールは、1971年に生産されたティーポMの仕様を基本的に継承する。ただし、フロントのコーナーバンパーはグリルに回り込まないデザインに変更された(出品車にはティーポMまでのコーナーバンパーが装備されている)。後期型では、左ハンドル仕様に限ってワイパーが平行作動式へと変更された。フロント・コーナーバンパー下の冷却ダクト形状などにも、ティーポEでの変化が認められる。
ミッドに搭載される2.4L(2418cc)のV型6気筒DOHCエンジンや、それに組み合わされる5速MTにも、ティーポEでは改良の手が加えられた。キャブレターはそれまでと同じウェーバー製ながら40DCN F/13型に変更され、5速MTは新たにギヤ比が見直された。最高出力の195psは変わらなかったが、246GTはティーポEへの進化により、より魅力的なミッドシップ・スポーツとなった。
フルレストア・モデルの約43%安で落札された
クエイル・オークションに出品された「04072」のシャシーナンバーを持つモデルは、マラネロでのアッセンブリーが1972年5月22日に終了した個体だ。当初のボディカラーはジャッロ・フライ(イエロー)、インテリアカラーはネロ(ブラック)であった。
この個体は、イタリアのカスタマーへと納車された後、しばらくイタリアに所在したが、1978年に日本に向けて輸出された。日本で複数のオーナーを経るなかで、1989年に現在のボディカラーであるホワイトにオールペイントされた記録がある。その後、スロットル・ケーブルの破損により、この「04072」は使用不能となった。1990年から2025年までガレージで静態保存されていたが、アメリカ在住の最新オーナーのもとへ輸出されたのはつい最近のことである。
熱心なディーノ、そしてフェラーリのエンスージアストにとって、このモデルを完全にレストアすることは非常にやりがいのあるプロジェクトとなることは間違いない。ボナムスは、プロジェクトのスタートともいえる今回のオークションで、20万ドル~30万ドル(約2944万円~4415万円)の予想落札価格を提示した。さらに最低落札価格なしという好条件でオークションをスタートさせている。
入札は最終的に25万2000ドル(約3709万円)という価格が提示されるまで続いた。フルレストアが終了した際、この246GTの価値がどこまで高まるのか、多くのエンスージアストの興味はすでにその点に移っている。







































































































