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45年前から収蔵内容には驚き!成長するドイツ・ジンスハイム技術博物館のスケール感がすごい【クルマ昔噺】

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)

マツダより早く量産したロータリーエンジン車が展示されていた

こうした今日の発展を見ると、いかにも当時の展示は貧弱に思えてしまうが、それでも重要と思われた展示をいくつか紹介しよう。

最初に紹介したいのは、ポルシェ「908」である。908seriesのなかではもっとも多く作られたシャシーで、プロトタイプを含み31台が作られた。ボディはここに展示されていたショートのほかに、ロングテールバーションがある。ロングテールは2台しか現存しないと言われている。

同じレーシングカー繋がりで撮影したモデルは、1987年のル・マンなどに出場したザウバー「C9」で、KORUSカラーに塗られたモデルである。ル・マンでは日本の岡田秀樹もこのクルマに乗った。

世界初のロータリーエンジン搭載の量産モデルであるNSU「スパイダー』もある。498ccのシングルローターエンジンを搭載し、出力50psを得ていた。1963年から1967年まで生産され、最終型では54psに性能向上していたという。3年間の販売台数は2372台であった。このクルマの販売が終了する1967年に、わが国のマツダ「コスモスポーツ」が市場に送り出されている。

ドイツではポピュラーであった、1949年から1956年まで生産されたテンポ「ハンゼアット」。400ccの2サイクルエンジンを搭載し、最高出力14psであった。

ソ連の航空機ツポレフを入手できるくらいだから、珍しいソ連製のクルマもあった。GAZ13チャイカと呼ばれるこのクルマは、1958年にデビューして、当時のソ連要人に使われたモデルだが、随所にアメリカンの雰囲気を醸し出している。エンジンは5.5LのV8である。プッシュボタン式のトランスミッションセレクターは当時のクライスラー風であり、ボディデザインは、とくにフロントに関してはパッカードによく似ていた。

バイエルンのディンゴルフィングに居を構えていたグラースが作り上げたマイクロカーブランド、「ゴッゴモビル」のクーペもある。同じプラットフォームからセダンとクーペ、それにバンを生産していた。展示されているのはクーペである。初期モデルは後ろヒンジのドアを持っていたが、これは後期型のモデルである。排気量は250cc、300cc、400ccをラインナップするが、写真のモデルの排気量は不明である。

航空機やUボートまであるジンスハイム博物館。筆者はまた行ってみたいと思っている。

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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