生産台数約1000の希少性を考慮するとバーゲン価格で落札
SZのフロントに搭載されるエンジンは、アルファ ロメオの傑作のひとつとも評される3LのV型6気筒DOHCである。最高出力は210psとされ、これは75に搭載された同ユニットよりもハイチューンな仕様だった。最大トルクは245Nmだ。トランスミッションは5速MTで、重量配分を最適化するためにリアに搭載される、いわゆるトランスアクスル方式を採用している。
前後のサスペンションは、「75」のグループA車両のものを改良し、SZ専用とした。その卓越したロードホールディング性とハンドリングは、当時多くのドライバーに絶賛されている。テストドライバーのなかには、最大で1.4Gにも達する横方向のコーナリングフォースを記録した者もいた。
1989年に発表されたSZは、1991年までに1036台が生産されたと記録されている。今回アイコニック・オークショネアズが出品したのは、そのうち100台が割り当てられたイギリス仕様の1991年式だ。
現在までの走行距離はわずかに1万7000マイル(2万7200km)だ。この数字からも想像できるように、エクステリアやインテリアのコンディションは素晴らしく、オリジナルの状態を保っていた。現在までに3人が所有したこのモデルの最後のオーナー(出品者)は、32年間にわたって維持した。ここ最近では約6000ポンド(約125万円)をかけた整備も行われている。
アイコックオークショネアズでは、エスティメート(推定落札価格)に6万ポンド〜7万ポンド(邦貨換算1212万円〜1414万円)を掲げていた。オークションへの注目度は当然高く、最終的には6万5250ポンド(邦貨換算約1318万円)で落札された。SZの希少性を考えれば、これはバーゲンプライスだったともいえるのかもしれない。















































































































