クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • アメリカンポップカルチャーの象徴! 約6万ドルで修復した「メイヤーズ マンクス」の驚くべき落札額!?
CLASSIC
share:

アメリカンポップカルチャーの象徴! 約6万ドルで修復した「メイヤーズ マンクス」の驚くべき落札額!?

投稿日:

TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2026 Courtesy of RM Sotheby's  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

“当時モノ”オリジナルのメイヤーズ マンクスは米ポップカルチャーの象徴としオークションでも高評価

このほどRMサザビーズ「MIAMI 2026」オークションに出品された「メイヤーズ マンクス」デューンバギーは、シャーシナンバーから1961年の下半期に製造されたフォルクスワーゲン ビートルをベースに組み立てられていることが分かる。そして、1970年3月に製造されたメイヤーズ社製FRPボディを用いて製作され、組み立てた当初のボディカラーは「ブリリアントレッド」だったようだ。

ただし、バギーとして製作されたあとの経緯やオーナーシップ歴は、この種のキットカーの宿命として不明である。しかし、のちにニューヨーク州ロングアイランドにて、おそらくオリジナルのブリリアントレッド塗装のまま「バーンファインド」。そして、このとき手に入れた現オーナーの委託を受けて、コネチカット州ウォリングフォードの「コブラ・オートモーティブ」社によってフルレストアされることになる。

遺された書類によると、マンクスの完全な再生には、じつに約6万ドルが投じられたと記されており、これにはカリフォルニア州トーランスにある「パワーハウスVW」社製の1914cc水平対向4気筒エンジンのコンバートも含まれるという。

約100psを発生すると言われているこのフラット4には、フォルクスワーゲン ビートル用として「ランチョ」社が製作した「タイプ1プロストリート」スウィングアクスル・トランスアクスル(ファイナルギヤ比4.12)が組み合わされている。

また、もともと作られた時代を反映した装備として、VW用アフターパーツの老舗「EMPI」社製トリガー式シフトレバーとブラックトリムつきバケットシート、「BFグッドリッチ」製ラジアルタイヤを装着したアメリカンレーシング製「トルクスラスト」ホイールを採用。仕上げには1970年代のカウンターカルチャーを彷彿とさせる、サイケ調のグリーンメタリック塗装を施した。

コブラ・オートモーティブ社による修復は2017年に完了し、その後マンクスの走行は限定的なもの。カタログ作成時点での走行距離計は、わずか81マイル(約130km)を示していた。また「メイヤーズ・マンクス登録機構」にも登録済みであり、ダッシュボードに貼られた同機構発行の小さな金属製プレートには「0611」の登録番号が刻印されている。

RMサザビーズ北米本社は、自社の公式オークションカタログ内で「アメリカ史における革新的で自由奔放な時代の象徴とも言えるメイヤーズ・マンクスが誘う太陽の下での楽しみは、時代を超えて色あせません。この完全修復されたマンクスは、目を惹く鮮やかなグリーンメタリックで、ビーチサイドの夏の別荘にぴったりの1台となるでしょう」と謳いつつ、5万ドル〜6万ドル(邦貨換算約785万円〜約942万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定。そのうえで「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」での出品となった。

この「リザーヴなし」という競売形態は、価格の多寡を問わず落札できることから、とくに対面型のオークションでは会場の雰囲気が盛り上がり、ビッド(入札)が跳ね上がる傾向もある。その反面、たとえ価格が売り手側の希望に到達しなくても、強制的に落札されてしまうリスクも内包している。

そして迎えた競売ではリザーヴなしのメリットが存分に発揮され、終わってみればエスティメート上限を超える6万1600ドル。現在のレートで日本円に換算すれば約967万円という、なかなかの高価格で競売人のハンマーが鳴らされることになったのだ。

ただしこのハンマープライスは、9年前のレストアに要した金額とほぼ同じ。エスティメート設定の段階で分かってはいたことだろうが、売り主側としてはちょっと複雑な思いが去来したことは想像に難くあるまい。

※為替レートは1ドル=157円(2026年3月29日時点)で換算

12
すべて表示
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
著者一覧 >
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS