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VW「ビートル」が米国で「デューン・バギー」に変身! オフロードレースの覇者から若者の自由のアイコンに【夏のビーチカー_04】

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: AMW 竹内耕太/Meyers Manx

カリフォルニアのビーチの象徴といえばデューン・バギー

かつて1950年代から1970年頃にかけ、自動車史の中に小さいながらひとつのムーブメントを形作った「ビーチカー」と呼ばれるジャンルのクルマたち。その多くは量産実用車のコンポーネンツを利用して生み出された派生車種だった。今回は、ドイツ生まれのフォルクスワーゲン「ビートル」をベースにしたアメリカ西海岸のアイドル、通称「デューン・バギー」を振り返る。

アメリカならではの実用主義的な自動車風土が生み出した

かつてのヨーロッパでは、自動車はまず王侯貴族や大富豪の富と権力の象徴として発達を遂げた部分も大きかったが、その一方でガスや水道、電気よりも先に、幌馬車代わりの「T型フォード」が社会インフラとして普及したとも言われるアメリカでは、自動車は贅沢品としてではなく、民具・生活必需品として浸透していった。この欧州と北米とのモータリゼーション黎明期の差異は、1960年代から70年代初頭にかけて全世界的に流行した「ビーチカー」のジャンルでも、微妙に異なる発展を遂げたように思える。

今回ご紹介するのはアメリカは西海岸発祥の、空冷フォルクスワーゲンのシャシーをベースに生み出された「バギー」だ。

現在ではビーチカーのジャンルで括っても違和感を感じる人は少ないと思うが、欧州の貴族趣味の残り香を感じるフィアット「500ジョリー」などと比べると、こちらはやはりアメリカならではの実用主義的な自動車風土が生み出したクルマと言えるかもしれない。

若者たちのクルマ遊びのベースとしてVWが人気に

もちろんアメリカにも大富豪やハリウッドスターらが好んだデューセンバーグやパッカード、ピアス・アローといった超高級車は存在していたが、クルマが好きな、しかし財布の軽い大多数の若者たちにとって、それらは無縁の存在。かといって、お仕着せの大衆車をそのまま乗るのは面白くない……。

そこで彼らはスクラップヤードで程度の良い廃車を手に入れ、そのフェンダーやルーフを切り取って軽量化してみたり、よりパワフルなエンジンに載せ替えてみたりと、思い思いの方法で自分だけのクルマ趣味を楽しんだ。当初はフォードのT型や「モデルA」などがその格好のベース車両となっていたが、第二次世界大戦後の1950年代以降、西ドイツからフォルクスワーゲンが大量に輸入されるようになると、それら空冷フラットフォー一族もまたカスタムカーのベースとして広く使われていくこととなる。

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