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VW「ビートル」が米国で「デューン・バギー」に変身! オフロードレースの覇者から若者の自由のアイコンに【夏のビーチカー_04】

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: AMW 竹内耕太/Meyers Manx

元祖メイヤーズ・マンクス・バギーがオフロードレースを席巻

1964年、カリフォルニアのブルース・メイヤーズが、トラクションに優れるRRのフォルクスワーゲン・ビートルのシャシーをショートホイールベース化、そこにオリジナルのFRP製軽量ボディを架装し、オフロード用の低圧タイヤを履かせて「メイヤーズ・マンクス・バギー」と呼ばれる1台の試作モデルを製造、翌年から市販を開始した。

バギーとはもともとは1頭立ての小さな馬車のことだが、この新しい乗り物は一般に「デューン・バギー」、あるいは「サンド・バギー」と呼ばれた。

これはリゾート地の海沿いをゆったり流すおしゃれなビーチカーとは異なり、もともとは砂丘や砂漠などで行われるレースのために作られたもの。1967年にはNORRAメキシカン1000ラリー(バハ1000の前身)で優勝するなど、メイヤーズ・マンクス・バギーは各地のオフロードレースで好成績を収め認知度を高めていった。そのモータースポーツの分野におけるサクセスストーリーは、「オースティン・セブン」をベースに生まれたロータスや、ルノー「4CV」をベースに生まれたアルピーヌのそれにも通じる。

無数のフォロワーを生みながら本家もEV版をリリース

メイヤーズ・マンクス・バギーの名声と人気は、アメリカ国内はもとより、世界的にも数多くのフォロワーを産んだ。その多くはマンクス同様、パーツの供給やチューニングが容易なビートルがベースで、そのユーモラスなデザインも類似していた。

それらはやがて「オフロード・レースのために生まれたスペシャル」という枠を越え、既存の価値観にとらわれない若い世代の自由の象徴となり、一連のバギーも広義にはビーチカー、あるいはこの時代を象徴するレジャーカーの一族としても認知されるようになっていった。

1960年代に一世を風靡したさまざまなビーチカーたち。現在ではいくつもの自動車メーカーが、この時代に生まれた自社ゆかりのビーチカーをオマージュしたセルフカバー的モデルをリリースしているが、カリフォルニアで今なお盛業のメイヤーズ・マンクス社も2022年にEV版「メイヤーズ・マンクス2.0エレクトリック」をリリースするなど、その例に漏れない。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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