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リトラとウェッジシェイプを持つ異端の英スポーツ「TR7コンバチ」の約157万円落札は安いか高いか!?

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: iconicauctioneers  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

オープンカー禁止危機を免れ、クルーズドボディから誕生した「トライアンフTR7 コンバーチブル」

日産「フェアレディZ」を意識したモノコックのクローズドボディを持つトライアンフ「TR7」のデビューは1975年。その象徴的なウェッジシェイプ(くさび形)とリトラクタブル・ヘッドライトをデザインしたのは、オースチン「アレグロ」なども手がけたハリス・マンだ。賛否両論を巻き起こしたこの前衛的な意匠は、当時の流行の最先端を狙ったものであった。

エンジンは2000cc SOHCの直列4気筒で、デビュー当初はオープンボディが用意されなかった。駆動系は歴代のTRと同様のフロントエンジン・リアドライブとコンベンショナルなものだ。結局、北米市場でオープンカー禁止とはならなかったので、1979年にはルーフを取り払ったコンバーチブルが改めてラインアップに加わった。今回ご紹介しているのが、そのトライアンフ「TR7 コンバーチブル」というわけだ。

なお、TR7の生産は1981年までと言われているが、今回のオークション出品車両は「1983年式」と表記されている。英国のクラシックカー市場では生産年ではなく「初年度登録」を年式とするケースが多く、ディーラー在庫として残り1983年に初めて登録された個体である可能性が高い。

スポーツカー過渡期を伝える生き証人「TR7 コンバチ」に付いた「157万円」という世知辛い価値……

出品車はペルシャ・アクア・メタリックと呼ばれる上品なボディカラーを纏い、内外装ともにほぼオリジナル。全体的に新車時以来の良好な状態を保っており、走行距離は3万2500マイル(約5万2300km)ほどだ。

現役当時はそのキャラクターがいまひとつブレてしまっているようにも思えたトライアンフ「TR7」であったが、現在の目で改めて見てみると、スポーツカーが大きな転換点を迎えつつあった1970年代という時代の空気を今に伝えてくれる、貴重な生き証人のようだ。

主催者側は8000ポンド〜1万ポンド(邦貨換算約172万〜215万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定していたが、実際の落札価格はそれを下回る7313ポンド。日本円に換算して約157万円という価格で競売人のハンマーが鳴らされた。由緒正しいブリティッシュ・オープンスポーツの末裔としては、随分とリーズナブルな価格と言えるのではないだろうか。

※為替レートは1ポンド=215円(2026年4月15日時点)で換算

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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