288GTOを10秒上回るフィオラーノでのラップタイムとオークションが下した2億円の価値
今回のオークション出品者でもある現オーナーによって約10年前に購入された308 GT/Mシャシー001は、フェラーリのハイパーカー時代の黎明期にまつわる魅力的な背景を持つ、きわめて希少な競技用車両だ。
特筆すべきエピソードは、V8ノンターボでありながらフィオラーノでのラップタイムが288 GTOやF40、さらにはフェラーリ「512 BB/LM」をも凌駕したことだ。じつは308 GT/Mは、より大型のV12エンジンを搭載したBBコンペティツィオーネよりも約2秒、288 GTOよりも10秒以上も速い周回タイムを記録した。ただし、288 GTOはロードタイヤを装着していたのだが、そのぶんを差し引いても308 GT/Mは驚異的な速さを証明したのだ。
現在のコンディションについてRMサザビーズ社は、サーキットで走らせるには然るべき手入れが必要との見解を示していた。ただし落札者は、このクルマをヴェネト州パドヴァのミケロットに持ち込み、よりオリジナルの仕様に近づけることも可能と謳われていた。

ともあれ、同じフェラーリ製コンペティツィオーネでも、たとえばフェラーリ「250GTO」やフェラーリ「250テスタロッサ」、フェラーリ「250P」からフェラーリ「330P4」に至る一連の耐久レースカーなどと比較してしまうと、308 GT/Mはマラネッロのモータースポーツ史においてあまり知られていない存在であるのは間違いない。国際格式のレースでの参戦歴がないうえに、製作されたのはわずか3台のみなのだから、なおさらのことだろう。
それでもRMサザビーズ欧州本社は150万ユーロ〜200万ユーロ(邦貨換算2億8000万〜3億7000万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定していた。ところがオークション当日、グリマルディ フォーラムで行われた競売では、想定されたエスティメートには届かない115万8125ユーロ、日本円に換算すれば、約2億1530万円で競売人のハンマーが鳴らされることになった。
スポーツカーレースにおけるフェラーリの黄金時代を飾った往年のワードで彩られたこのクルマを、この価格で入手できた落札者が、もしも今後「トゥール ド フランス」や「ル マン クラシック」などのヒストリックレースイベントを目指すのならば、今回のオークションはきっと良い買い物の場となったに違いない。
ちなみに同日、このオークションで落札された2018年型フェラーリFXX-K Evo(公道走行不可ながらもフェラーリの最新技術を体験できるラ・フェラーリベースの最高峰サーキット専用モデル)の落札価格が、約9億3200万円(518万ユーロ)ということを考えると「308GT/M」のお買い得感がさらに増すのかもしれない。
※為替レートは1ユーロ=186円で直近のレート換算






















































































