クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CUSTOM
  • 引き算の美学で勝負!初代の日産「エルグランド」をシンプルに仕上げたVIPカスタム
CUSTOM
share:

引き算の美学で勝負!初代の日産「エルグランド」をシンプルに仕上げたVIPカスタム

投稿日:

TEXT: WAGONIST編集部  PHOTO: ウィズ フォト(With photo)

初代エルグランドをシンプルに仕上げた引き算のVIPスタイル 

約16年ぶりのフルモデルチェンジが噂される日産「エルグランド」。その歴史を振り返る連載企画の第3回である。今回も1997年に登場した初代E50型にスポットを当てる。 当時のミニバン市場は、まだ「高級ミニバン」というカテゴリーが確立されていなかった時代だ。しかし、E50型エルグランドは上質な内外装と堂々たるボディサイズで新たなジャンルを切り開き、多くのユーザーを魅了。今回は、大型エアロ全盛の時代に、あえてシンプルな造形で勝負した完成度の高い1台を振り返る。 

派手さではなく完成度で勝負するシンプルスタイルである  

ミニバンのカスタマイズは1990年代後半に入ると、その存在感をさらに際立たせるドレスアップが一大ブームとなる。大型エアロや派手なメイクが主流だった時代。そんななか2000年代を迎え、あえてシンプルなスタイルを追求した1台があった。 今回紹介するE50型エルグランドは、2004年に撮影した車両だ。「大きなクルマだからといって、大きなエアロを付ければいいわけではない」というオーナーの美学を具現化した1台である。それまでとはひと味違う、迫力と高級感を両立させた2000年代ならではのカスタムシーンを象徴する存在だ。 

当時のE50型エルグランドのカスタムはボリューム感のあるエアロが人気だったが、この車両はその流れとは一線を画す。 

ワンオフ製作されたエアロは、全体の張り出しを抑えたコンパクトなシルエットを採用している。さらに、内巻き形状ではなくボトムの少し上をえぐったような独特のラインを描くことで、シンプルながら十分な存在感を演出している。フロントフォグも当時定番だった楕円タイプではなく、30系セルシオをイメージしたデザインへと変更した。VIPらしい高級感を漂わせながらも、押し付けがましさを感じさせない絶妙なバランスに仕上げられている。 派手さではなく質感と完成度で魅せる。そんな考え方が、この1台の随所から伝わってくる。 

自然につながるワイドフェンダーと絶妙なサイドビューだ 

フロントフェイスでは、ワンオフ製作された超薄型ボンネットスポイラーが存在感を発揮している。わずかなアクセントながら、フェイス全体を引き締め、落ち着いた表情を演出している。 フロントグリルは純正をベースにマークレス化した。ウォッシャーノズルもボディと同色にすることで、純正らしさを残しながら洗練された印象へと昇華させている。さらにフォグランプにはエスティマ用ユニットを流用した。セルシオ風の意匠を取り入れることで、高級感をより一段引き上げている。 

フロント3cm、リア4cmワイドのフェンダーは、ドアパネルとのつながりが驚くほど自然である。 真横から眺めると、エアロの控えめな張り出しによって全体が非常にスマートにまとまりながらも、ボトムラインにはしっかりとした量感を持たせていることが分かる。さらにサイドモールにはセルシオ純正品を採用した。高級セダンのエッセンスを取り入れることで、E50型のキャラクターにふさわしい上質感を表現している。 

大柄なボディを支える足回りと自然なリアデザインが光る 

ホイールにはユーロラインDH(フロント=19×9.5、リア=19×10)を装着した。落ち着いたデザインながら大径ボディに負けない存在感を放ち、シンプルVIPスタイルを足回りから支えている。リアでは、ルーフをそのまま後方へ延長したような自然なデザインの大型ウイングを装着している。リアバンパーも丸みを持たせつつ、ボトム手前に一本のラインを入れることで立体感を演出した。マフラーにはヴァルド製を組み合わせ、リアビューを上品に引き締めている。 

この車両はディテールへの作り込みも見逃せない。純正エンブレムがガーニッシュ内に収まる構造を生かしながら、専用カバーを製作してエンブレムを外側へ移設している。目立ちすぎない変更ながら、質感を高める玄人好みのアレンジである。こうした細かな積み重ねこそ、この車両の完成度を押し上げている理由だろう。 

オーナーが語るこの低さで走り続けたいという強いこだわり 

オーナーがもっとも誇るのは、Jライン製のオリジナル足回りパーツによって実現したローフォルムである。 「エアサスではなく、この車高で走ることに意味がある。このスタイルのままずっと乗り続けたいですね」と語る。 派手さを競うのではなく、自分だけの完成形を追い求める。その姿勢は、現在のカスタムシーンにも通じる普遍的な魅力を感じさせる。 

2000年代のVIPカスタムと聞くと、大胆なエアロや迫力あるスタイルを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、このE50型エルグランドは、あえて足し算ではなく引き算で勝負した1台である。ボリュームを抑えながら質感を高め、純正の美しさを生かして高級感を演出する。その考え方は、時代が変わった今見ても色褪せない完成度を誇っている。当時のカスタムシーンをリアルに伝える貴重な1台として、今なお強い存在感を放っている。 

すべて表示

アーカイブ

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

人気記事ランキング

アーカイブ

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS