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スバル「インプレッサ」を5台乗り継いだ男の決断! 40年前のフォード「フェスティバ」を愛するスバリストの情熱に迫る

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

スバリストが行き着いた先は40年前のコンパクトハッチだった

街で見かける機会がすっかり減ってしまった懐かしの名車たち。かつて一世を風靡したフォード「フェスティバ」の希少なモデルに、ある専門店で出会いました。一度は取材の機会を逃したものの、縁あって新たなオーナーへと巡り合うことができた。歴代のインプレッサを乗り継いできた生粋のスバリストが、なぜ40年前のコンパクトハッチを選んだのか、そのエンスーなカーライフを覗いてみた。

歴代インプレッサを乗り継いだスバリストの異例な決断

2024年ごろ、旧車や名車、絶版車の販売を手がける国内の専門店「スウィンギンモータース」の在庫をチェックしていたところ、気になるレアなクルマを発見した。

そのクルマは1986年に生産されたコンパクトカーのフォード フェスティバで、グレードは「1.3S ホットエクステリア」であった。このフェスティバは、マツダが開発を担当し、当時のフォード車販売チャネルであった「オートラマ店」で販売されていた歴史を持つ。

これは希少なので撮影をオーダーしなければと思っていた矢先、ほかにもフェスティバに注目している愛好家がいたようで、すぐさま売約済となってしまった。取材する機会を逸してしまったが、念のためショップに連絡し、撮影のチャンスを逃したことを伝えておいた。

時が流れ、フェスティバの取材をすっかり諦めていたころ、スウィンギンモータースから突然の電話があった。なんと5台のインプレッサを乗り継ぎ、フェスティバを購入したオーナーが取材に対応してくれるというのだ。ありがたいことに、ショップがずっと交渉してくれていたのである。

善は急げということで、速攻でオーナーの谷戸士人さん(取材時41歳)に連絡し、2026年3月中旬に取材日を確定させた。当日はあいにくの天候となってしまったが、フェスティバ 1.3S ホットエクステリアをじっくりと撮影させてもらった。

子育てと住環境の変化で再び2ドアコンパクトへ回帰する

谷戸さんは、大学4年生のときにスバル「インプレッサ STI(GC型)」を購入して以来、GD型STI、GV型STI、別のGC型STI、そしてGF型の「スポーツワゴン」と、歴代モデルを乗り継いできた生粋のスバリストだ。

「インプレッサの歴代STIに乗ってきて、最後に所有したスポーツワゴンもMT(マニュアルトランスミッション)仕様でしたが、もっと面白そうなクルマが欲しくなりました。そこで、3列シートで7人乗りのスバル『ドミンゴ』のことが気になって調べていたところ、スウィンギンモータースのサイト経由でフェスティバを紹介している動画に辿り着いたのです。新しい家を建てて引っ越し、いざ住んでみたら駐車スペースが少し小さく、インプレッサのスポーツワゴンでぴったりサイズになってしまったため、レアなコンパクトカーを探すようになったというのもフェスティバを購入した理由のひとつです」

2度目のGC型STIに乗っていたときに子どもが生まれ、ベビーカーまでレカロ製にするほどだった。そのままインプレッサ生活を続けてもよかったが、家を建てる資金が必要になったため泣く泣く売却し、ファミリーカーとして有意義に使える4ドアのスポーツワゴンにしたそうだ。

通算で2台所有することになったGC型STIはいずれも2ドアだったこともあり、子育てを開始した妻からは不評だったという。そこでボディカラーがホワイトの4ドアスポーツワゴンを導入したわけだが、自宅の立地と周囲の道路環境を考慮し、小回りが利いてキビキビ走れるクルマを探した結果、再び2ドアのフェスティバに乗りかえてしまったあたりからも、谷戸さんのエンスー(熱狂的な自動車愛好家)ぶりがうかがえる。

ちなみに妻はAT限定免許かつペーパードライバーで、年齢が分かることを書いてしまって恐縮だが、彼女もフェスティバと同じ1986年生まれなのだという。

不動車からの復活劇と旧車と対話するエンスーなカーライフ

谷戸さんは当時を振り返る。

「ボーナスを活用して2024年12月にフェスティバを一括で購入したので、すぐさま納車されると思い、GF型スポーツワゴンを2025年1月に売ってしまったのです。そうしたら、納車整備中にいろいろなことがあり、購入してからちょうど1年後となる2025年12月にフェスティバが我が家に来ました」

当初は2025年2月に納車されるという話だったものの結局間に合わず、6月ぐらいから毎週のように納車整備が行われている工場へ、愛息の智洋くん(8歳)と一緒に見に行っていたのだという。フェスティバが来なかったため長きにわたって代車生活になり、結局5台ほどのクルマに乗ることになったそうだ。

納車のときも智洋くんと一緒に引き取りに行ったらしく、今回の撮影にも同行する予定だったが、残念ながら急な発熱により断念することになった。

谷戸さんが購入したフェスティバは、九州の駐車場で不動車になっているところを、ダイハツの「シャレード」に乗るエンスー仲間が発見したらしい。元のオーナーから譲り受けて整備し、動くようにしたものの書類が用意できなかったため、スウィンギンモータースが引き受けて販売に至ったという経緯がある。外装はショップで再塗装されており、国内最大級のクラシックカーイベント「ノスタルジック2デイズ」で展示されたのが約3年前のことだ。

フェスティバのスポーティグレードである「S」には、ノーマルの1.3Sと1.3S ホットエクステリアが用意されており、外装色は黒と白のみだったという。谷戸さんの愛車にはドアにブラックのモールが装着されているが、これはファーストオーナーが独自に追加したものだそうだ。

「ずっとスバルの水平対向エンジン(ピストンが水平方向に往復するエンジン)搭載車を所有していじってきたので、排気量1.3LのOHCキャブ仕様(オーバーヘッドカムシャフト方式でキャブレターを用いた)エンジンは整備性がよいと感じます。納車早々にオーバーヒートしましたが、自分で水を8回入れ直してサビ落としを実践したら落ち着きました。愛車を整備・修理していくことはクルマとの大切な対話だと思っていますが、旧車とのカーライフはそう考えないとやっていけませんね」と谷戸さんは語る。

2026年3月中旬の取材段階ではまだ遠出をしておらず、今後のロングランを楽しみにしていたが、3月末には無事にドライブへ行ってきたそうで、順調に仕上がってきているようだ。最近はブレーキがフワフワしてきて、マツダのディーラーでチェックしてもらおうと考えているらしいが、持ち前の知識と愛情できっと乗り越えていくことだろう。これからも旧車との濃密な対話を楽しみながら、元気に走り続けてくれることを願っている。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

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