妻の運転と3人の子どもとの家族旅行を軸に、実用性とお洒落を両立させた80系ノアのアゲカスタム
ローダウンからアゲスタイルへ。路線変更の理由は「妻が子ども3人を乗せて運転する機会が多い」という現実だった。車高を上げれば行ける場所が広がる。そんな家族目線の発想を起点に、足まわりから外装、キャンプ装備まで全方位でこだわり抜いた1台がここにある。オーナーのMさんが実践した、遊び心と実用性の交差点を追った。
トヨタ80系「ノア」をアゲスタイルへ路線変更した理由とは
きっかけは、家族の使い勝手にあった。オーナーのMさんはかつてローダウン仕様でノアに乗っていた。ところが、日常では妻が子ども3人を乗せて運転する機会が多い。車高を下げたままだと乗り入れられる場所が限られてしまう。そこで4年ほど前、思い切ってアゲスタイルへ(車高を上げるカスタム)と方向転換した。路線変更を後押ししたのは、周囲の存在だった。
「ノアをカッコよくアゲている人がいて、それを見て自分でもやりたくなりました」
ベース車両はトヨタ80系「ノア」の後期型ハイブリッドだ。80系ノアは2014年1月に登場し、2017年7月のマイナーチェンジで前期と後期に分かれる。後期型は大型グリルやシャープなヘッドランプで存在感を高めた世代にあたる。ファミリーカーの定番を、あえて無骨なアウトドア方向へ振ったところにMさんのセンスがある。
蛍光グリーンとオレンジで魅せる足まわり! アゲサスとマッドタイヤの組み合わせ
アゲカスタムの主役は足まわりだ。純正ショックは蛍光グリーンにペイントし、スプリングにはエスペリアのアップサスを採用した。このバネで30〜40mmほど車高を上げつつ、あえて蛍光オレンジに塗って今風のファニーな雰囲気に仕上げている。ホイールハウスをのぞくと、緑とオレンジの差し色が目に飛び込んでくる。

インパクトを一段と強めているのがマッドタイヤだ。銘柄はレーダーの「レネゲードR/T+」で、サイズは前後とも215/70。レーダーはシンガポールのタイヤメーカーで、Mさんはロードノイズの静かさを高く評価する。ショルダーのデザインも凝っており、表と裏でスカルと短剣の柄に分かれる。無骨さのなかにお洒落を忍ばせた1本と言える。
ホイールはウェッズの「マッドヴァンス08」を前後16×6.5J・オフセット35で組み合わせた。ホワイトボディに映えるブロンズカラーで、無骨なマッドタイヤとの相性も良い。足元だけで、このノアの性格がひと目で伝わってくる。
ハイエース用バンパーガードにルーフキャリア! 外装カスタムとキャンプ装備の見どころ
外装は加工装着のオンパレードだ。バンパー自体は純正のまま、ハイエース用のバンパーガードを加工して取り付け、力強さを演出した。ガード内側や両端にはLEDライトを備え、フロントグリルやリアバンパー、ガーニッシュ類にはチッピング塗装(表面をザラつかせる塗装で耐久性とアウトドア感を高める仕上げ)を施している。サイドミラーもDIYでチッピングペイントし、あえてダウングレード風に見せる遊び心を効かせた。
ライト類はバンパーガードやルーフ、ボンネットにも多用する。点灯させれば、キャンプや車いじりの行動範囲が一気に広がる。ルーフにはデリカD:5用のバスターズ製ルーフキャリアを加工して載せ、オーストラリア発のアウトドアブランド、ダーチのサイドオーニングを装着した。給油口はチェーンとダミービス付きのカバータイプで、枠のチッピング塗装によって全体の統一感を保っている。リアにはサントレックスのヒッチメンバーを備え、上下に付けられる延長ブラケットを介してステップバーを装着。その下にはヒカリウイングスのワークライトも組み込んだ。エンブレムはRAV4用に変更し、細部まで手を抜いていない。
Mさんのノアは、家族の日常を起点にしながら、遊び心を一切妥協せずに積み上げた1台である。妻が運転しやすく、子どもたちとどこへでも出かけられる。その現実的な要求に応えつつ、足まわりの差し色から加工装着のパーツまで、細部に自分らしさを刻み込んでいる。クルマを家族との時間を豊かにする道具として捉える姿勢が、この全方位カスタムの根底に流れている。









































