純正同サイズで唯一のM/Tタイヤ「M/T G003」
ジオランダーの中でも未舗装路での走行に特化したジオランダーM/T G003。シリーズにはさらにオフロード性能を磨いたジオランダーM/T+(プラス)やジオランダーX-MT も存在するが、それよりは静粛性やロングライフ性能も考慮したバランスの取れたM/T(マッドテレーン=泥地形対応)タイヤだ。
軽トラ・軽バン向けのサイズは145/80R12(外径537ミリ)のみ。これはハイゼットやキャリイ、エブリイ、N-VAN等の純正タイヤと同じなので、たとえフルノーマルの車両にも安心して装着できる。またLT(ライトトラック)規格の商品につき、車検も問題ない。
ちなみに他社の同等サイズでのボコボコ系タイヤは、下で紹介するトーヨータイヤのオープンカントリーR/Tのほか、ブリヂストンのRD-604(145R12)やダンロップのグラントレックTG4(145R12)などがある。だが、「M/Tタイヤ」とうたっているのはジオランダーM/T G003だけ。
「同じボコボコ系でも、RD-604やTG4は農作業などでも活躍しているガチの仕事用タイヤ。対してジオランダーM/Tは、ヨコハマの中でも〈ホビータイヤ〉と位置付けられており、趣味性やファッション性も高いタイヤというイメージで売り出している。若手ユーザーにもウケが良さそうです」と菅原さん。
街乗りオフローダー向け新シリーズ「X-AT」
ジオランダーX-ATは2019年9月から販売が始まったばかりの新シリーズ。オフロード感のあるパターンを採用しながらも、オンロードでの快適性を追求したのが特徴で、そうした狙いはオープンカントリーR/Tとよく似ている。というか、ガチンコのライバルといっても差し支えない間柄だろう。
「オープンカントリーR/Tとパターンを比べると、ジオランダーX-ATの方が若干大人しめな印象。それでもジオランダーA/T G015よりは明らかにゴツゴツしていて雰囲気がある。まだ履かせて走ったことはないので、実際の乗り心地や静粛性は分かりませんが、普通に考えればオンロードの快適性はジオランダーM/T G003より上。より一般ユーザー向けといえそうです」。
軽トラ・軽バン向けサイズは145R14(外径590ミリ)。純正と比べると外径は50ミリ以上大きいため、これを履くだけで車高が25ミリほど上がる計算だ。純正では物足りないという人には嬉しいサイズながら、タイヤハウスに干渉するリスクも上昇。特にフロントのタイヤハウスが狭いDA16Tキャリイでは相当厳しく、他の車種でもリフトアップやバンパー加工、インナー加工といった何らかの対策を打たないと履くのは難しいと思われる。