かつては“手軽なFR”が多く存在した
また近年は大半のクルマがFFになり、FRの選択肢が多いとはいえない状況である。ただし昔はドラテクを練習するのにピッタリな、手に入れやすく維持もさほど負担にならない“手軽なFR”が多くあった。
代表的な車種はAE86。今でこそ程度の良い中古車は当時の新車価格を軽く超えるが、25~30年前であればごく常識的な価格で入手できたし、チューニング済みですぐに走れるタマも多かったのだ。
ほかにもNA&NBロードスターや、少しサイズは大きいがS13系のシルビア&180SXなど、リーズナブルなFRでガンガン走り込んだ人たちにとっては、思い出の補正も含めFRこそウデを磨く最高の素材と考えるのも必然。
また先ほど「FFや4WDもテールスライドとカウンターは体験できる」と書いたが、ドリフト状態に持ち込む難易度はFRのほうがはるかに低いのも事実だ。つまりFFや4WDに比べ低速域でドリフトさせやすいため、焦らずに落ち着いてカウンターステアを当て、アクセルで立て直したりスライドを維持する練習ができる。そういった意味では現在もFRは唯一無二の存在といって間違いない。