走行中の誤作動を防ぐための対策も兼ねている
続いてサーキットでエアバッグを作動させない理由。通常のサーキット走行よりクラッシュする可能性は高いはずなのに、知っている限りの公認レースではエアバッグのキャンセルが義務化されている。レースでは他車とのちょっとした接触は決して珍しくなく、その度にいちいちエアバッグが作動してしまっては話にならない。レース中であれば4点式シートベルト/hans/ヘルメットなどがあり、エアバッグなしでもドライバーの安全は十分に確保できるといっていい。
さらにコースアウトや縁石に激しく乗り上げたり、大きな衝撃を伴う脱輪でも作動する可能性がある。キャンセルの手順は対応するヒューズを抜くだけと思われがちだが、最近のクルマはエアバッグ用のコンピューターが備わっており、そちらのコネクターを抜くケースもあるので事前に調べておこう。
もうひとつの理由はエアバッグの修理代。運転席と助手席のふたつで30万円~が相場と言われ、それに車体の修理代を足せば相当な金額になってしまう。やはりレースに限らずサーキットではキャンセルしたほうが無難だろう。なおナンバー付き車両のレースでは終了後に『公道走行チェック』が行われ、当然ながらエアバッグを元の状態に戻していないと合格できないので要注意だ。もっともコレは普通の走行会や草レースでも重要なこと。エアバッグは一般道を走る分には間違いなく有用で、自分や同乗者の生命を守ってくれる装備なのだ。