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37カ所もあった収納の怪物! トヨタ・ファンカーゴは「使えるっぷり」が半端なかった

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

収納スペースだけで37箇所もあった!

 実車は1680mm(または1660mm)と全高を高くとり、理屈抜きで使いやすいクルマに仕上げられていた。後席の折り畳みは、背もたれを前倒ししながら前席の下に潜り込ませるように沈ませ、ラゲッジ部分のフロアと低くフラットに繋がるスペースを作り出すことができた。

 欧州ピープルムーバーのように後席は3座/3分割式で、中央席を外して周席に座るようなパターンも可能に。ラゲッジスペースにはユーティリティバーが用意され、このバーをトリム左右間に渡してかけて、その上にパッケージトレイを乗せれば、ラゲッジスペースが上下2段に使えるようにもなっていた。バックドアは大多数のクルマが採用するハネ上げ式ではなく横開きを採用。開く角度も、全開、半開、4分の1開と3段階にノッチがつき、実際の使いやすさに配慮されていた。

 そのほかに“収納”も豊富で、何と37箇所も用意されていた。例えばドアなら、通常のドアポケットのほか、アームレスト部の凹みもポケットにしているといった具合だ。インパネには、上下2段のグローブボックスを備えたほか、センターコンソールの左右、ステアリングコラム右手のアンダーポケット、サイドシル部にもポケットを設定。後席床下、前席頭上のシェルフなど、ありとあらゆる場所が収納だらけ……そんな風だった。トヨタ・ファンカーゴのカタログ

 外観は4ドア+バックドアの、分類上で言えば5ドア。後席用のドアは、型にはまったようなスライドドアではなかった。だが、これまで触れてきたようなスペースユーティリティと便利な装備類が充実していたことで、ファミリーユースにまさしくピッタリ。しかも普通の2ボックスタイプ、ミニバンとは違う個性的なスタイリングで、ファンカーゴというクルマの存在感を主張していたのだった。

 トヨタ車のコンパクト系実用多目的車としては、その後もラウム、シエンタ、ポルテといったモデルが登場。ファンカーゴと同様に日常使いにピッタリなモデルとして多くのユーザーに愛されている。その中でファンカーゴは、欧州市場でも通用した機能性の高さが自慢のクルマだった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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