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電動化してでも後継モデルが見たい! こだわりの四駆制御や2ペダル化など進化し続けた「ランエボ」の軌跡

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TEXT: 佐藤幹郎 PHOTO: 三菱自動車/Auto Messe Web編集部

ランエボ9.5とも呼ばれるエボ9MRが全4タイプ1500台限定で発売

 時を経て、2006年8月にはランエボⅨとランエボワゴンMRが登場。この2モデルもランエボ9.5の愛称で親しまれ、セダンはGSRが6速MT、RSが5速MT、ワゴンはGTに6速MTと4速ATのGT-Aが設定される。全4タイプで1500台限定(過去のランエボの例に漏れず、追加生産があったとも言われている)の希少性と、最後の4G63型エンジン搭載モデルとして注目度の高いモデルであった。ランサーエボリューションⅨ MRのフロントスタイル

 もちろん、基本的にはランエボⅨの熟成版だが、一部モデルはターボの素材や形状を変更しており、MIVECのチューニングもあってエンジンに改良がなかったわけではない。

 またフロントバンパーの左右下部のエアダム形状の変更によって、空気抵抗とフロントリフトを低減するなど空力特性の向上を図った。さらにサスペンションもアイバッハ社製コイルスプリングがGSRに標準、RSではセットオプションとして設定。スプリングを装着することで、フロントでー10mm、リヤでー5mm車高が変更され、より低重心化を図ったほか、ACDやスーパーAYCのセッティングも変更。ランエボが得意とする旋回性能をより一層向上させた。そしてMRの名に恥じないこのモデルは“第3世代の最後のモデル”として販売店を中心に大規模な告知がなされて終焉を迎える。

第4世代に進化し最後のランエボとなったエボXがデビュー

 そして最後のランエボとして、第4世代に進化したランエボXが2007年10月にデビューした。ギャラン・フォルティスをベースにしたこの新型エボは、従来の限定モデルとは異なりカタログモデルとしてラインアップされた。エクステリアはランエボⅠ〜ランエボⅨまでのスタイリングとは一線を画したものであり、ボディ自体はギャラン・フォルティスと共有するものの、サスペンションはもちろん仕様が異なり、前後バンパーでオーバーハングを切り詰めて全長を75mm短くした。また全高もアルミルーフの採用とロールセンターの低下により10mm低くし、フェンダーとトレッドの拡大で走行安定性も大幅に高めることに成功している。ランサーエボリューションXのフロントスタイル

 サスペンションはフロントがストラット式、リヤがマルチリンク式と従来モデルからの変更はないが、前述のワイドトレッド化と18インチタイヤの採用も含めて、サスペンションレイアウトを一新。4輪を確実に接地させ、S-AWCの性能を最大限に引き出し、直進安定性・旋回性能、さらに乗り心地も向上した。

 また、トランスミッションは定評の5速MTのほか、新開発の6速DCT「Twin Clutch SST(SST)」を新たに採用。競技車用向けの耐久性を考慮した5速MT、グランドツーリング性を追求したGSRにはDCTのSSTを用意することで、ランエボXでもしっかりと棲み分けが行われた。ランサーエボリューションXに搭載のSSTシフトノブ

 注目は、ランエボⅠ〜Ⅸまで長きにわたり採用されてきた4G63型に別れを告げたこと。世界的に評価されるオールアルミブロックの4B11型直4ターボを搭載。エンジン自体が軽量化されたことによって、ヨーモーメントの低減に大きく貢献する。MIVECとの組み合わせにより最大トルクは422Nm (43.0kg-m) を3500rpmで発生させた。なお、最高出力はホンダ・レジェンドが280psの自主規制を破ったことで、2009年10月のマイナーチェンジで300psにあらためられている。4WDシステムは新開発の車両運動統合制御システム「S-AWC」も採用された。4B11型直4ターボエンジン

エボXファイナルエディションをもって23年の歴史に幕を閉じる

 なお2007年にデビューしたランエボXは、その後、1度のマイナーチェンジと5度の改良を経て、2015年8月に発表されたランエボXファイナルエディションの完売(1500台限定)をもって、ランサーエボリューションは23年の歴史に幕を閉じた。ランサーエボリューションXファイナルエディションのフロントスタイル

 ちなみに英国で発売されたモデルに、HKS製ターボチャージャーをはじめとしたチューニングパーツが備わり、エンジン出力が440ps/57kg-mに引き上げられたFQ-400が登場するなど、価格は当時のレートで約約850万円と高価ながら、販売開始からわずか60分で完売したというエピソードもある。英国で発売されたFQ-400のリヤスタイル

 それだけ、海外でもランエボXの人気は高く、その評価は高い。それは第一世代のランエボがWRCで活躍していたことが大きかっただろうし、毎年、エボリューションモデルを改良しながら開発を続けてきたことで国内外で数多くのファンを魅了した。

 三菱だけじゃなく世界各国の自動車メーカーが電動化へ大きく舵を切るなかで、三菱もその例に漏れず、話題はeKクロスEVやアウトランダーPHEVに注目が集まる。WRCでお互いに切磋琢磨してきたライバルのSUBARUは、東京オートサロン2022で「STI E-RAコンセプト」を披露したが、ランエボを愛した数多くの三菱ファンにも、ブランドの象徴となるスポーツモデルが欲しいというのが本音だろう。EVやPHEVなどの電動車でも構わないので、次期ランエボと噂されるような新型車両の登場に期待したいのだが……。

ヴィジョン・ラリーアート・コンセプト

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  • ランサーエボリューションⅦノフロントスタイル
  • ランサーエボリューションⅦ GT-Aの走り
  • ランサーエボリューションⅧのフロントスタイル
  • ランサーエボリューションⅧに搭載の4G63エンジン
  • ランサーエボリューションⅧ MRのリヤスタイル
  • ランサーエボリューションⅧ MRのボルテックスジェネレーター
  • ランサーエボリューションⅧ MRのフロントスタイル
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  • ランサーエボリューションⅨに搭載の4G63エンジン
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  • 三菱ACDの分解図
  • ランサーエボリューションXファイナルエディションのシリアルプレート
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