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トヨタ・ハイブリッドは市販車改造から「ル・マン24時間」制覇へ! エコだけじゃない熱い歴史を振り返る

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TEXT: 西川昇吾(NISHIKAWA Shogo)  PHOTO: TOYOTA GAZOO Racing

  • TGR-Eのガレージ

  • スープラHV-R
  • ル・マンで優勝したトヨタ
  • TGR-Eのガレージ

市販車を改造した特認車両からスタートした

 歴史あるル・マン24時間レースもシーズンカレンダーに含まれるFIA世界耐久選手権、通称WEC。日本からはトヨタがハイブリッドシステムを搭載したマシンで2012年から参戦しています。2014年にはシリーズチャンピオンを獲得し、2018年は遂にル・マン24時間レースで優勝を飾りました。そんなWECでの活躍を語るうえで欠かせないハイブリッドシステム。市販車とは異なるレース専用のシステムで、WEC参戦前から開発が行われていました。

2006年 DENSO LEXUS GS450h

 日本のモータスポーツシーンにトヨタがハイブリッドを投入したのは2006年。当時国内唯一の24時間レースであった、スーパー耐久シリーズの十勝24時間レースにレクサスGS450hをベースとした、レーシングハイブリッドマシンで参戦しました。

 急減速と急加速を繰り返すモータスポーツの走行状況においては、バッテリーよりも急速充放電が得意なキャパシタが適しているのではないかという考えのもと、GS450hのニッケル水素バッテリーにキャパシタを追加する独自のレーシングハイブリッドシステムを開発。エンジンの最高出力は296ps、モーターの最高出力は200psでシステム最高出力345psを誇っていました。現代の市販車と比べても高出力なモーターを搭載しているのが興味深い点です。

 このマシンは大きなトラブルを起こすことなく24時間を完走。さまざまな実戦データを蓄積するとともに、THS-R(トヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング)がモータスポーツ史にその名を刻み始めた瞬間でもありました。

2007年 DENSO TOYOTA SUPRA HV-R

 2006年に十勝24時間完走を果たしたトヨタは、翌2007年に新開発したレース専用ハイブリッドシステムを搭載したレーシングマシンで、ふたたび十勝24時間レースに挑みます。

 ベース車として選ばれたのは、2006年までSUPER GTで戦っていたスープラ。このレーシングマシンにキャパシタとモーターからなるオリジナルのハイブリッドシステムを搭載していますが、前年とは異なりバッテリーは搭載していませんでした。

スープラHV-R

 モーターは後輪駆動用に150kWがひとつ、左右のブレーキローター裏に10kWのものがひとつずつの計3基を搭載。あくまでも市販車ベースのシステムだった2006年から比べると、レース用システムとして大幅な進化を遂げています。この「スープラHV-R」と名付けられたマシンは大きなトラブルを起こすことなく、無事完走。見事総合優勝を飾りました。この総合優勝は準国際格式のレースでハイブリッド車が初めて総合優勝を成し遂げた出来事でもありました。

2012年~ apr PRIUS GT

 トヨタのレーシングハイブリッドは、国内を中心としたカテゴリーであるSUPER GTでの活躍も忘れてはいけません。2012年から神奈川県に本拠地を置くレーシングカスタマーaprは2012年から、ハイブリッドシステムを搭載したプリウスで参戦をしています。

 こちらはキャパシタを中心とした独自のレーシングシステムではなく、市販車のシステムを使用。2013年はモーターを軽量なアクアのものに変更し、2014年にはハイブリッドシステムを軽量化……といった具合でマシン開発はもちろん、ハイブリッドシステムに関しても年々改良を施し、ハイブリッドにこだわってSUPER GTに参戦を続けているのです。

 例年変更が加えられる車両レギュレーションにより、有利なシーズンと不利なシーズンがあるものの、シーズン2位を記録したこともあり、戦闘力は高いマシンと言えます。

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