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トヨタ・ハイブリッドは市販車改造から「ル・マン24時間」制覇へ! エコだけじゃない熱い歴史を振り返る

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TEXT: 西川昇吾 PHOTO: TOYOTA GAZOO Racing

2012・2013年 TS030 HYBRID

 2011年10月に発表された2012シリーズからのWECへの参戦。SUPRA HV-Rから進化を重ねたハイブリッドシステムを、プロトタイプレーシングカー「TS030 HYBRID」に搭載しました。

 参戦するトップカテゴリーであるLMP1の規定に合わせて、後輪のみで回生とモーターアシストを行うシステムとなったレーシングハイブリッドシステム「THS-R」。SUPRA HV-Rと比べたシステムの最大の進化ポイントはキャパシタです。スーパーキャパシタと呼ばれる蓄電量を高めた電気二重層キャパシタを採用し、後輪で回生したエネルギーをスーパーキャパシタに蓄え、後輪で使用していました。

 これにNAの3.4L V8エンジンを組み合わせ、最終的にはシステムで800ps以上の出力があったと言われています。TS030は2台体制で2012シーズンと、改良型を投入することになった2013シーズンに参戦。どちらのシーズンもランキング2位に終わり、ル・マンでの勝利は後継のTS040へ託しました。

2014・2015年 TS040 HYBRID

 大幅な車両レギュレーションの変更があった2014シーズンから、トヨタはマシンを進化させた「TS040 HYBRID」へとスイッチします。ハイブリッドシステムの面でのレギュレーション上の大きな変更点は、1周あたりの最大放出エネルギー量です。

 ル・マン24時間レースの舞台であるサルトサーキット1周あたり、2MJ/4MJ/6MJ/8MJの4段階から任意でエネルギー放出量を選べるようになりました。こうなると8MJを選択すれば有利と思ってしまいますが、数値を大きくすればシステム重量が増えてしまい、運動性能で不利となります。

 トヨタはバランスを考慮した結果6MJを選択。これに合わせてスーパーキャパシタも進化させます。またレギュレーション上フロントでのモーター駆動も可能となり、前後の駆動をモーターでアシストするようになりました。V8エンジンは3.7Lに拡大したことで、システム出力は1000ps以上と言われていています。ル・マン24時間での勝利は逃したものの、2014年シーズンは見事チャンピオンを獲得しました。

2016~2020年 TS050 HYBRID

 2016シーズンに向けてトヨタは大幅にシステムを変更し、「TS050」へと進化させます。8MJに対応できる軽量小型なハイパワー型リチウムイオン電池の開発に成功し、キャパシタに変えてこちらを採用。それにコンディション変化への対応がしやすいV6ツインターボエンジンを組み合わるなど、パワートレインを大幅に変更しました。

 2016年のル・マン24時間では終了前3分までトップを走行していたものの、残りわずかというところでパワーダウンし、そのままストップ。トヨタにとって悲願であったル・マン初優勝があと一歩のところで逃げていきました。この年のシリーズランキングは3位。以降もTS050の改良を施しながら参戦を続け、2017シーズンはシリーズ2位、2018シーズンはシリーズタイトルと悲願のル・マン優勝を成し遂げました。以後、2018-2019、2019-2020シーズンともにシリーズタイトル獲得とル・マン王者の座に輝いています。

ル・マンで優勝したトヨタ

2021年~ GR010 HYBRID

 車両規定が大きく変更された2021年以降のWEC。従来のLMP1に代わるWEC最高峰クラスとして設定されたル・マンハイパーカー規定に合わせ、トヨタは「GR010」を開発します。

 マシンコスト低減を目的としたレギュレーション変更により、パワートレインが大幅に変わりました。680psの3.5L V6ターボエンジンはリヤタイヤのみを駆動し、回生と駆動はフロントのみで、モーター出力は272ps。パフォーマンスを落とす方向性のレギュレーションにより、162kgの重量増加と32%のパワーダウンとなっています。しかし、この新規定でもトヨタは強さを見せ、2021年のWECではシリーズタイトルを獲得。2022シーズンも第5戦終了時点でランキングトップに付けています。

トヨタがハイブリッド×モータースポーツを切り開いた

 トヨタがモータースポーツシーンにハイブリッドを持ち込んだ2000年代後半は、まだハイブリッドでレースするという考え自体が浸透しておらず、スーパー耐久へのスポット参戦も特認車両として認められての参戦でした。

 しかし、今やWECをはじめF1やWRCなどトップカテゴリーに電動化技術が採用されています。これもトヨタがGS450hやSUPRA HV-Rでハイブリッドでのモータースポーツ参戦を切り開いたことも、少なからず影響しているでしょう。これからどのように世界のモータースポーツシーンが変わっていくのか? そしてモータースポーツで得たハイブリッド技術がどのように市販車へ生かされていくのか? モータースポーツファンとしてとても楽しみな部分のひとつと言えるでしょう。

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