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BMW最新「1シリーズ」を先代モデルと乗り比べ。「FF」と「FR」で「BMWらしさ」に違いはある?【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)  PHOTO: AMW 竹内耕太

FRの1シリーズと乗り比べてみた

 さて、今回は比較用に先代1シリーズの最終型、2017年式「118i」のオーナーである友人E氏に協力してもらい、FRとFFで乗り比べてみた。エンジンは118iがガソリンの1.5L直3ターボなので比較対象にならないが、FRの1シリーズに乗ってみると、やはり前後重量配分50:50で鼻先が軽く、しっかり重心がドライバーの背中あたりにあるイメージで気持ちよく曲がっていける爽快さは、快楽発生装置としてはとても魅力的だ。

 ここからは、普段から118iにロードバイクを積んであちこち走りに行っているE氏に最新118dに触れてもらって、彼が感じたことをまとめてみよう。もちろん、FRの走りに惚れて買ったクチなのでその分のバイアスはあるが……。まずは肝心の走りについて。

「FFで頭が重くなった分、ハンドリングが落ち着いていて、それだけではなく走りに上質感がありますね。アクセルを踏みこんだとき新型のほうが回転を上まで引っ張ってくれるのも好ましいです。外からの音が入ってこないしエンジン音も響かないし、静粛性の高さも印象的でした。ウインドシールドが立っていて前方視界も良くなり、フロントフードが高くなっている分、車両感覚がつかみやすくなっています。あとは、ステアリングホイールのリムが細めで操作感がゆったりに感じたので、太めの革張りでスポーティなものに換えたら、“走らせる喜び”はもっと高くなるかなぁ」

パッケージングとユーティリティは圧倒的にFF

 プロペラシャフトが不要になって車体リヤ側のスペースが広くなったのは、1シリーズがFF化して手に入れた最大のメリットと言えるだろう。後席の足元のスペースは約40mm広くなり、ラゲッジ容量は先代の360Lから380Lに拡大しているが、後席を倒したときの最大容量1200Lは変わっていない。先代オーナーE氏はどう感じただろうか。

「後席に座ると頭上スペースも足元も広くなっていて、センターのドラシャが無くなったことで快適性が大きくアップしてますね。とくに、リヤのハッチの間口がFRモデルだと内側に少し出っ張っていて、自転車を積みこむときに気を使う部分だったのですが、FFだとハッチゲートがシンプルな形なので便利になっています。4人乗車で荷物も載せるような使い方なら、断然FFですね」

プレミアムコンパクトのFF、中古で狙い目なFR

 FFレイアウトになったことで「とがった」特徴こそなくなったものの、走行性能、快適性、スペース効率など、あらゆる点で死角のないコンパクト・ハッチバックとなった現行型1シリーズ。ライバルの多いカテゴリーのなかでもクオリティと質感の高さ、懐の深さをそなえるBMWらしさは健在だ。

 また一方、FRの先代1シリーズがじつは中古車マーケットで今とても「美味しい」存在であることも付記しておきたい。先代は2015年にフェイスリフトし、パワートレーンはガソリンの118iが2015年に1.6L直4ターボから1.5L直3ターボにシフト。120iが2016年に1.6L直4ターボから2.0L直4ターボに、「M」は3.0L直6ターボで326psだったM135iから2016年に340psのM140iに世代交代していて、2.0L直4ディーゼルの118dが2016年から追加されている。

 パワートレーンの過渡期で分かりにくいのだが、おおむね2015年式~2019年式までの先代後期モデルで中古車を探せば、118iや118dなら100万円台でタマ数豊富で、選び放題といった状況だ。今のうちにFRハッチバックに乗っておきたい人や、BMW入門としては、先代1シリーズもぜひお勧めしておきたい。

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  • AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)
  • AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)
  • 田舎の大学院で古代インドのサンスクリット語を研究していた元・学者の卵。クルマ遊びにハマって中古車販売店で1年働いた後に出版業界へ。クルマやカルチャー系の雑誌のほか、翻訳書、人文書、地図帳、写真集など手がける。クラシック・フォルクスワーゲンが趣味の中核で、愛車は1963年式カルマンギア。数年前に都内から小田原へ移住し、賃貸ガレージハウスでリモートワークしつつ、箱根や伊豆のワインディングをのんびりドライブする日々。
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