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三菱「ランエボVI」の「トミー・マキネン エディション」は名前負けしていなかった! すごかった中身を紹介します

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 三菱自動車

  • エボ6TMEのイメージ

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  • トミー・マキネンエディション

誕生した10モデルのランエボのなかでも異彩を放った「6.5」

 1992年のエボIのデビューから、2015年のエボX生産終了まで、車名の通り4世代、10代(台)に渡って進化を重ねた三菱の「ランサーエボリューション」(ランエボ)シリーズ。そのなかで、異色でもあり大きな方向性の変化を示したのが、エボ6.5とも呼ばれる、エボVIの「トミー・マキネン エディション(TME)」だ。

競技で名を馳せたドライバーの名を冠した貴重なモデル

 ランエボはグループA規格で争われていたWRCを制するため、理想のラリーカーベースとして誕生した。そのもくろみ通り、1996~1999年にかけてドライバーズタイトル4連覇を達成する。その偉業を成し遂げた、史上初の4連覇ドライバー「トミ・マキネン(Tommi Mäkinen)」の名前を冠して作られた特別仕様車が、トミー・マキネン エディションである。

 オートバイには、エディー・ローソンレプリカと呼ばれる有名なカワサキ「Z1000R」というバイクがあるが、クルマでドライバー名が車名になるのは非常にまれだ。ほかには、マクラーレンの「セナ」、あるいはトヨタ「セリカGT-Four RC」 (ST185)の輸出仕様に設定された「カルロス・サインツ リミテッド エディション」や、スバル「インプレッサWRX」(GC8)の「シリーズ マクレー」(英国限定特別仕様車)ぐらいで、かなりレアなケースと言っていい。

トミー・マキネンエディション

舗装路での運動性能を高めるチューニングが施された

 そんなトミー・マキネン エディションの最大の特徴は、ターマックに特化した特別仕様車だったこと。

 見た目にも第2世代のランエボシリーズの特徴だったフォグランプが廃止され、空力性能(ダウンフォース)とクーリング性能を重視したフロントバンパーを採用。サスペンションはフロントサスのロールセンターを下げたエボVIに対し、トミー・マキネン エディションではふたたびロールセンターとアライメントを最適化した。さらに、車高を10mm落としたターマック仕様のサスペンションをGSRで標準装着している(RSにはオプション設定)。

 その一方で、RSで標準だったクイックステアリング・ギヤレシオをGSRにも採用するなど、初期応答性の高いチューニングが施された。

動力性能にも手を加えるほどの本格派だった

 エンジンはGSRにコンプレッサーホイールを小径化し、フィン形状を改良したハイレスポンスチタンアルミ合金ターボチャージャーを採用している。最大トルクの発生回転数をベースのエボVIから250rpm引き下げて2750rpmとしたことで、レスポンスと低中速トルクを高めた。ピストンもクーリングチャンネル付きの軽量タイプを採用している。大型インタークーラーにはツインスプレーも装備し、冷却効率もアップさせるという本格派だ。

 そのほか、マフラーもメインマフラーの構造を見直し、プリマフラーの容量をアップさせている。テールパイプも大口径のシングルタイプで、背圧軽減に貢献する。ホイールもエンケイ製を採用し、WRCワークスマシンと同デザインの真っ白な17インチに(GSR)。

 イメージカラーはパッションレッドで、多くの人はボディストライプなどがデザインされた、オプションのスペシャルカラーリングパッケージの印象が強いだろう。

* * *

 こうしたトミー・マキネン エディションでもっともエポックメイキングだったのは、ラリー用ベース車両として生まれたランエボが、このトミー・マキネン エディションから本格的に高速ターマック、つまりサーキットでの速さを意識したモデルにシフトしたという点。オンロード/オフロードを問わず、全方位的に速いクルマとして、比類ない存在となるターニングポイントが、このトミー・マキネン エディションだった。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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