2ドアクーペのファッションアイコン的な存在
「86」は、免許取りたてのビギナーから60代のベテラン、男性/女性、MTだけでなくATの比率も高いなどトヨタの想定以上に幅広いユーザーが購入している。となると、用途も多様である。86というとFRレイアウトのスポーツカーであるがゆえに走りにこだわりのあるユーザーが多いように思えるが、実際には日本車では数少ないライトな「2ドアクーペ」として愛用している人も数多いそうだ。
(初出: XaCAR 86&BRZ magazine Vol.07)
女性の意見を採用したスペシャルな86
86は多くのメーカーからカスタマイズアイテムがラインナップされているが、トヨタ自ら新たな86を提案するべく誕生したのが「86スタイルCb」である。詳しく説明すると、開発はトヨタなのだが、86チームではなく、純正アクセサリーやコンバージョンモデルを開発する「C&A事業部」が独自に動いたプロジェクト。じつは女性の意見を活用したスペシャルモデルなのである。企画を担当した中野めぐみさんはこう語る。
「Cbはクールビューティの略で、スタイルを表現するファッション性やセンスを重視したカスタマイズモデルとなります。86の運転の楽しさに加えて、外から見られる楽しさを付加させています」
バンパーとヘッドライトを変更して斬新なマスクが誕生した
最大の特徴はベースが86とは思えないフロントマスクである。何かに似ているようで似ていないツルっとしたデザインは、バンパーとヘッドライトの変更のみで実現している。デザインを担当した星 龍秀さんはこう語ってくれた。
「ボディカラーの検討がスタートで、ニュアンスベージュ×デミタスブラウンの2トーン(オプション)の組み合わせが生まれたのですが、そのボディカラーに合わせたマスクを作ろうと。トヨタ車はツリ目が多いので、親しみのある顔を目指しました。懐古主義ではなくLEDやヘッドライト内の造形などに新しさを盛り込みました」