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スーパーカーは燃えやすいってホント!? ランボルギーニ「ミウラ」にフェラーリ「F40」の炎上ニュースの真相を考察します

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: Automobili Lamborghini S.p.A./Ferrari N.V.

スーパーカーに消火器は必須アイテム

スーパーカーウォッチャーを自認している自動車趣味人であれば、その炎上事情にも明るいはずだ。10年以上前のことになるがランボルギーニ「ミウラ」が燃え、ここ最近ではフェラーリ「F40」が焼失したが、それらのセンセーショナルなニュースも必ずチェックしたに違いない。どのクルマにも燃える要素があるため、車両火災はスーパーカーだけに限ったアクシデントではないが、ランボルギーニやフェラーリが燃えた話はその注目度の高さからニュースサイトで配信されるケースが多く、いつの時代にも「スーパーカーは燃えやすい」というイメージが流布している。

※写真はすべてイメージです。

電気部品の配線がショートして出火するパターンも

では、実際のところはどうなのかというと、やはり、年式を問うことなく数年に一度程度のスパンでスーパーカーが燃えており、登録台数の差も関係しているが、ランボルギーニよりもフェラーリのほうがたくさん燃えているといっていい。スーパーカーが燃えやすいというのは、都市伝説ではなく、広く知られた事実なのだ。

少し情報が古いが、消防庁が発表した令和2年版の消防白書によると、令和元年中の車両火災の出火件数は3585件で、排気管によるものが614件で最も多く、交通機関内配線が329件、放火(疑いを含む)が267件の順となっている。

やはり、フューエルラインなどの劣化によってガソリンが漏れ、それが高温になった排気管にかかって炎上したり、電気部品の配線がショートして出火するようなパターンが多いということだが、フェラーリに関しては下記のような出火要因も確認されている。

接着剤がエンジンの熱で発火することも

後輪のホイールアーチ(ホイールの周りの半円形の切り欠き)に使われていた接着剤がなんと可燃性で、これがエンジンの熱によって発火、それにより断熱材も溶けてしまい、ホイールアーチ全体が見事に炎上してしまったというケース。

もうひとつは、高年式のスパイダーで、幌を作動させる油圧パイプが熱に弱く、これがエンジンルーム内の熱気によって破損し、漏れた油が排気管にかかって炎上したという事例。両方とも恐ろしい話だが、ガソリンだけが着火物になるとは限らないわけである。

キャブレターは整備不良で失火することも

そして、これはスーパーカーブーム全盛時に少年時代を過ごしたオジさんたちには有名な話だが、ダウンドラフトタイプのキャブレターは整備不良で失火すると真上にあるエアクリーナー内のフィルターに燃え移るといわれており、非常にコワイのだ。V型12気筒エンジンを横置きで搭載しているランボルギーニ ミウラはダウンドラフトタイプのトリプルチョーク・ウェーバーキャブレターを4基も積んでいるので、いつ燃えてもおかしくない。

スーパーカーの車両火災は、スーパーカーブーム全盛時に子どもたちを魅了した懐かしいキャブレター仕様車のみならず、高年式車でも発生することなので、オーナーはできるだけ大きい車載の消火器を積んでおいたほうがいいだろう。

もしもエンジンルームから出火してしまった場合、フードを閉めたままにして、グリルやインテークダクトから消火を試みるべきだ。慌ててエンジンフードを開けてしまうと、新鮮な空気が送り込まれ、火の勢いが増してしまうので、くれぐれも注意していただきたい。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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