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トヨタ「ランクル」の因縁のライバル日産「サファリ」はなぜ日本撤退したのか? 海外では大人気の本格クロカンの秘密を探ります

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: 日産自動車

故・石原都知事の決断が日本市場撤退の引き金に!

1997年にデビューした3代目(Y61型)はより洗練されたスタイリングが与えられ、トータルで性能に磨きをかけるなど高級ステーションワゴンとして地位を確立していく。

3代目

エンジンも当初は4.5Lの直6 DOHCのガソリンと先代から継承する4.2L直6 OHV&2.8L直6 SOHC(2ドアハードトップのみ)ディーゼルターボの3種類であったが、1年後、2ドアに最新の3L直6 OHC・直噴ディーゼルターボが与えられるなど、順調に歩みを進めていた。だが、1999年に青天の霹靂というべき出来事が起こる。

それが、当時の東京都知事であった故・石原慎太郎氏がディーゼル車のススの入ったペットボトルを振った、あの会見で発表された「ディーゼルNO大作戦」、のちの「NOx・PM法」だ。これが、サファリが日本撤退する決定打となった。

たしかに当時のディーゼルの排ガス規制は緩く、今思うとこの規制は大英断だったかもしれないが、自動車メーカーはあわてふためいた。とくに人気車種であるRVの大半がディーゼル車だったのだから。この結果、サファリはリミットであった2003年を控えた2002年8月に日本向けの販売を中止した。

海外では2010年に新型へと世代交代し兄弟車も誕生するなど拡充

その後、2002年11月に復活を果たすものの、ディーゼルエンジンは廃止。ガソリンエンジンは乗用車として日本最大排気量の直6である、4.8LのTB48DE(国内仕様は245psだったが、海外仕様は280psだった)へアップデートされ、ATを5速化するなど魅力を高めた。しかし、もともと海外がメインで、これまでの主力エンジンが削がれた状態では国内で販売台数が見込めるはずもなく、5年後の2007年に国内販売終了が決断され、27年(パトロール時代を含めると46年)の歴史に幕を下ろした。

ちなみに、サファリの海外モデルであるパトロールは日本での販売終了後も中東・オセアニアを中心に継続販売され、2010年にはY62型へ世代交代。高級路線をさらに押し進め、北米では「アルマーダ」、「インフィニティQX80」の兄弟車も誕生。2019年にはNISMO仕様も追加されるなど、今なお高い支持を得ている。

ランクル300の成功を受けて、日本でも発売を望む声もある。たしかに5m強の全長と2mに迫る全幅という破壊力抜群の巨大なボディと、400psを発揮するパワフルなVK56・V8エンジン(足まわりはなんと前後ダブルウィッシュボーン)などが試してみたいという気持ちにさせるが、販売は一部の愛好家+αとなるのは明らか。日本市場の呪縛から解かれ、のびのびと成長している現状を見ると、このままでいいと思うのは私だけではないはずだ。

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