ボディカラーは4色設定された
それぞれの488ピスタ ピロティは、フェラーリ・テーラーメイドによって完成され、ボディカラーはレースにインスパイアされた4色が設定された。ロッソ・コルサ、ブルー・トゥール・ド・フランス、ネロ・デイトナ、アルジェント・ニュルブルクリンクの4色がそれだ。イタリアン・トリコローレのラインがフロントノーズからルーフを経てリアエンドまで流れるのは、どのボディカラーを選択しても同様のフィニッシュ。ボンネットには2017年のWECでの勝利を称えるグラフィックも描かれる。
特別装備やオプションもじつに豊富に設定され、カーボンファイバー製のホイールやレーシングシート、チタン製エグゾーストパイプ、カーボンファイバー製フロントフラップ、サイドエアスプリッター、リアディフューザー、リアモール、エンジンカバー、Bluetooth内蔵のオーディオシステムとラジオ&ナビゲーション、ホワイトレブカウンター、カーボンファイバー製インテリアトリム、ヘッドレストのステッチ入りカヴァリーノ・エンブレムなど、数え上げていけばきりがないくらいだ。
一方メカニカルな仕様は488ピスタのそれと同様。すなわちエンジンは4LのV型8気筒ツインターボで、最高出力は710ps。組み合わせるトランスミッションは7速のF1デュアルクラッチトランスミッションとなっている。
今回オークションという舞台に姿を現した、488ピスタ ピロティは、フェラーリによって10号車のナンバリングが付与されたもの。2020年にデリバリーを受けた最初の、というよりもこれまでで唯一のオーナーはアメリカ、オレゴン州に在住する人物で、これまでの走行した距離はわずかに712マイル(約1140km)。
にもかかわらず2021年、2022年の年次点検を受けている。出品車にはもちろんテーラーメイド・ブック、オーナーズ・マニュアル、カーカバー、バッテリー・チャージャーを含む付属品のすべてが付帯済み。フェラーリの大切なカスタマーであるレーシングドライバーのみに提供される488ピスタ・ピロティ。それが一般に販売されるチャンスはそうはないだろう。今回の落札価格、99万5000ドル(邦貨換算約1億4430万円)も、けっして根拠のない数字ではないのである。