さまざまなレースに投入された3.0CSL
BMWモービル・トラディションの証明書によると、出品車のS/N:2275997は1973年5月に完成し、BMWモータースポーツへとデリバリー。FIAグループ2仕様へとモディファイされ、さまざまなレースに投入されている。
スパ24時間、ニュルブルクリンク1000km、ザントフォールト4時間、ニュルブルクリンク6時間などは、ワークス・チームとして参戦した代表的なレースで、さらにこの年にはイギリスのシルバーストーンで開催されたRACツーリスト・トロフィーにも参加の記録が残っている。
ヨーロッパでのレースで成功を収めた後、このモデルはアメリカのバーモント州バーリントンを拠点とするレーシング・チーム、ハーティグ・チーム・リブラに売却され、1974年を通じてチームはそれをIMSA GT選手権とSCCAトランザム・レースに参戦させた。シーズン終了後それはさらに裕福なメキシコ人レーサー、ダニエル・ムニーツへと売却。彼はこのマシンを1975年のセブリング12時間にエントリーさせるが、結果は予選16位でリタイヤというものだった。
1981年にイリノイ州の著名なカー・コレクター、ビル・ジェイコブス氏に売却されたS/N:2275997は、その後まもなくインタースポーツ・レーシングのジム・キャンベルがオーナーとなり、そこで1973年当時のグループ2仕様にフルレストアされることが決定された。
現在搭載されているエンジンは3153ccの2バルブ。現在のオーナーは2008年に入手し、その後はさまざまなクラッシックカー・レースでその姿を披露しているのは最初に触れたとおりである。
それでははたしてこの1973年式BMW 3.0CSLは、いくらで落札されたのだろうか。残念ながら今回は設定された最低落札価格をクリアできず、流札という結果になってしまった。RMサザビーズでは引き続きプライベートセールという方法で、その次なるオーナーを探しているというから、BMWの熱狂的なファンにとっては、これは見逃すことのできない一台ともいえる。参考までに3.0CSLの総生産台数は1039台。その中でグループ2のホモロゲーション用に改造されたモデルは、ごくわずかだ。






























































































