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元祖「アルピーヌA110」は約1910万円で落札! ラリーで活躍した名車としてはリーズナブル!?

元祖「アルピーヌA110」は約1910万円で落札! ラリーで活躍した名車としてはリーズナブル!?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

アルピーヌのツボを押さえたレストアで1900万円オーバー! でもリーズナブル?

このほど「St. Moritz」オークションに出品されたA110 1600 S、シャシーNo.#18358は、1600VDに進化する直前に作られた個体。写真をご覧いただければ一目瞭然なのだが、3穴ハブにアロイホイールを装着する1600VB時代の一台とされる。

3穴ハブの時代は、ルノー8からコンバートしたスウィングアクスル式後輪懸架で、リアのトレッドも狭い。いっぽう4穴ハブの1600VDに採用されたA310譲りのダブルウィッシュボーン式リアアクスルはトレッドが広く、ロードホールディングには優れるものの、A110オリジナルのスタイルを損ねてしまうという考え方もあるようで、現在のクラシックカーマッケートにおける人気は、3穴時代のモデルが少しだけ優勢にあるようだ。

今回出品されたアルピーヌA110では、時代を超越してもっとも典型的かつ人気の高いブルー・メタリックを身にまとい、レストアされた状態で保持されているものの、初期のヒストリーについてはほとんど記録されていない。ただし、残された数少ないドキュメントによると、イタリア市場に新車として納車されたもの。最初の登録は1973年6月に行われたとのことである。

2001年に今回のオークション出品者である現オーナーが入手した際、このA110はボディワークのレストアを受けたという。その際の写真は、車両に添付されたファイルにて閲覧可能で、同じくファイリングされたワークショップの領収書が示す工賃は、4万ユーロを超えるとのこと。2015年には、エンジンのリビルドを含むさらなる修復作業が施された。

くわえて、車内にはロールバーが装着されているものの、現オーナーのメモでは、レストア作業の完了以降は、競技走行はしていないと付け加えられている。

純正アロイホイールにはアルピーヌの定番「ミシュランXAS FF」ラジアルタイヤが装着され、フロントトランクにも同サイズ5本目となるスペアタイヤが収められている。

この魅力的なアルピーヌ・ルノーA110 1600Sに、RMサザビーズ欧州本社は現オーナーとの協議の末、8万スイスフラン~12万スイスフランというエスティメート(推定落札価格)を設定した。

そして「Offered Without Reserve」、つまり最低落札価格を設定することなく臨んだ競売ではビッド(入札)が充分に伸び、終わってみればエスティメート上限に近い11万7300スイスフラン、邦貨換算約1910万円で落札されることになった。

円安のため、日本円に換算してしまうとけっこうな金額にも映るのだが、今回の落札価格はオリジナル性の高いアルピーヌA110、しかも1300Sと並んで人気の高い1600Sであることを思えば、まあまあリーズナブルだったのでは・・・・・・? とも感じられるオークション結果だったのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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