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24台のみのフェラーリをイタリア映画で! ソフィア・ローレンにも負けない美しさ「250GT スパイダー・カリフォルニアSWB」とは【映画とクルマ】

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Ferrari/Courtesy of RM Sotheby's/AMW編集部

  • 映画『昨日、今日、明日』の主演はソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ
  • フェラーリ「250GT スパイダー・カリフォルニア 」。画像は1959年製のLWB版
  • ロールス・ロイス・「シルヴァークラウドⅢ」
  • ロールス・ロイス・「シルヴァークラウドⅢ」
  • ロールス・ロイス・「シルヴァークラウドⅢ」のコックピット
  • ロールス・ロイス・「シルヴァークラウドⅢ」のコックピットのリア
  • フェラーリ「250GT スパイダー・カリフォルニア 」。画像は1959年製のLWB版
  • フェラーリ「250GT スパイダー・カリフォルニア 」。画像は1959年製のLWB版

マニア垂涎の名車が登場

往年の名画には、時としてマニア垂涎の名車が登場することがあります。しかも、快音を奏でながら疾走するシーンを観ることさえできるのです。今回は、イタリア映画『昨日、今日、明日』に登場するフェラーリ「250GT スパイダー・カリフォルニア SWB」とその内容を説明していきます。

世界的名優によるW主演

いち映画ファンとして往年の名画を観ていると、時として銀幕で素晴らしい名車を発見し、今度は自動車愛好家としての好奇心を大いに喚起されることがある。今回ご紹介する「昨日、今日、明日(原題Ieri,Oggi,Domani/163年公開)」もそのひとつだろう。巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督がメガホンを執り、マルチェッロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンという世界的名優によるW主演。つまり名作「ひまわり(1970年)」と同じ黄金トリオで1963年に制作された、短編オムニバス作品である。

この映画は、それぞれのヒロインの名前を示す「アデリーナ」「アンナ」「マーラ」の3本立てとされ、第37回アカデミー賞では外国語映画部門も受賞している傑作風刺コメディだが、魅力的なクルマたちが活躍を見せるのは第2話となる「アンナ」である。

裕福だが、多忙な夫に相手にされない人妻、ローレン扮するアンナは、若い男との浮気を夢想しながら豪壮なオープンカーを走らせていた。そこでパーティで知り合った若手作家、マルチェロ・マストロヤンニ演ずるレンツォを呼び出し、アヴァンチュールの旅へと誘う。

彼女の傍若無人な態度にレンツォは初めから当惑していたが、アンナのペースに巻き込まれるように郊外に出て、運転を命じられる。そして大型車に慣れないレンツォは、あっという間に自損事故を起こしてしまう。自慢の愛車を壊されたアンナは、たちまち態度を豹変させてレンツォを口汚く罵る。そして彼女は、通りかかった真っ赤なスポーツカーに助けを求め、何処へと走り去ってしまう……。

スクリーンで快音とともに走る姿を

この作品に登場する2台のクルマは、ローレンとマストロヤンニにも負けないほどの輝きを見せる。まずアンナの愛車として登場するのは、ロールス・ロイス・「シルヴァークラウドⅢ」のH.J.マリナー製ドロップヘッドクーペ。一見したところではR-RシルヴァークラウドIIIの標準型スティールサルーンを2ドアオープン化しただけに見えるが、その実は英国の名門コーチビルダー、H.J.マリナーが総アルミ製のスペシャルボディを架装した、極めて特別なR-Rである。

一方の赤いスポーツカーとは、現代でもカリスマ的名声で知られるフェラーリ「250GT スパイダー・カリフォルニア」。しかも、わずか24台のみが製作されたというSWB版なのだ。

これらのクルマは、今や海外まで足を運び、自動車ミュージアムやクラシックイベント、あるいは高級オークションにでも行かない限りは見ることのできない芸術品ばかり。でも銀幕、あるいはDVDの中ならば、快音とともに走る姿だって見られることもある。クルマ好きにとっての映画とは、そんな役割も果たしているのである。

劇中車:フェラーリ「250GT スパイダー・カリフォルニア SWB」
生産年:1960年
250GT スパイダー・カリフォルニアは、1958~1960年までのLWBと、1960~1962年のSWBの大きく分けるとふたつのシリーズに分けることができる。ボディはピニンファリーナの手による。

『Ieri,Oggi,Domani/昨日、今日、明日』
公開年:1963年
上映時間:119分
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニほか

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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