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スーパーGT2023年シーズンの年間王者は36号車「auトムスGRスープラ」に輝く! 3号車「ニテラモチュールZ」は雨に嫌われました

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 佐藤正勝

最後の最後までプッシュし続けた36号車 au TOM’S GR Supraが逆転優勝

トップを快走する3号車 Niterra MOTUL Zにとっては逆転タイトルを狙うにはこのレースで優勝することが必須。一方2位に立った36号車 au TOM’S GR Supraにとっては、このままのポジションでチェッカーを受ければ逃げ切りでタイトルが決定する。しかし2台はそんな計算を度外視したように、このレースに勝つためだけに先を急ぐ。

さらにその後方でもこれがラストレースとなるミシュランを装着した23号車 MOTUL AUTECH Zも、やはりこれがラストレースとなるHonda NSX GTの17号車 Astemo NSX-GTと3位争いのバトルを繰り広げていた。一方、結果的には後方集団に埋もれてしまったが38号車 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)の立川も、これがGT500ラストレースとあり一つでも前のポジションを奪うべく奮闘していた。

レースも折り返しを過ぎると再び雨脚が強まってきた。ほぼドライコンディションにまで回復していたコースは再びハーフウェットに変わっていく。さらに雨脚が強くなることも予想されたが、それでも各車がルーティンピットを終えるまでには完全なウェットには至らず。結果的に全車がスリックタイヤで後半のスティントに臨むことになった。

タイヤ交換するZ

この時点でのオーダーは、トップは相変わらず万全の走りを見せる3号車 Niterra MOTUL Z。約7秒遅れで36号車 au TOM’S GR Supraが続き、ピットインのタイミングで一つポジションアップした23号車 MOTUL AUTECH Zが表彰台圏内に進出。これを僅差で17号車 Astemo NSX-GTが追う展開となっていた。

アクシデントでストップしたマシンを修復するためにFCY(フルコースイエロー)が提示されるが全車が一列渋滞となるセーフティカー(SC)ランと違って各車の間隔はそのままで1周走った後にFCYは解除され、再びレース状態となった。

このままレースも終わろうかという大詰めに来て大波乱! トップを快走していた3号車 Niterra MOTUL Zが59周目のS字で強くなった雨脚に姿勢を乱されてコースオフ。グラベルにスタックしてしまい、オフィシャルによってコースに戻され再スタートを切ったものの、約2分半ものタイムロスで一気にポイント圏外にまで後退。これでこの日のレースも、タイトルの行方も決してしまった。

36号車 au TOM’S GR Supraに続いて23号車 MOTUL AUTECH Z、17号車 Astemo NSX-GTが順にチェッカーを受け、表彰台にはトヨタと日産、そしてホンダの3メーカーが顔をそろえる大団円となった。これにより、2023年シーズンのドライバーズチャンピオンは36号車 au TOM’S GR Supraの坪井 翔・宮田莉朋組が獲得した。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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