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バブル期の「CABIN RACING」からレースクイーン文化は始まった!? 国内モータースポーツ界を変革した懐かしのチームのマシンを紹介します

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)/佐藤亮太(SATO Ryota)

1985年のヨーロッパF3000用に製作されたマシン

1988年になるとCABIN RACINGは体制を一新、星野一義選手を擁するCABIN RACING TEAM with IMPULと森本選手を擁するCABIN RACING TEAM with HEROESとの2チーム/2台体制となりました。IMPULはマシンとしてマーチ88BとローラT88/50を用意しますが星野選手はローラを選んで参戦。エンジンは無限MF308を搭載し、前年のチャンピオンの証でもあるゼッケン1を纏っていました。翌1989年はローラT89/50・無限とレイナード89D・無限を用意しましたが、星野選手はローラを選び、引き続きゼッケン1で参戦しています。

そして1992年まで星野選手はCABINカラーを纏って最新モデルのローラで参戦し、1989年と1991年はゼッケン1で、1990年と1992年はゼッケン19で参戦しました。一方、若手育成を謳うHEROESは1989年には鈴木利男選手、1990~1991年に片山右京選手、1992年から1993年終盤まで黒沢琢弥選手、1993年終盤から1995年まで金石勝智選手を起用。マーチやローラ、レイナード、そして童夢と様々なマシンを選択していましたが、すべてHEROESの持ちナンバーだったゼッケン3を纏っていました。

今回「箱車の祭典2023」に姿を見せたCABINカラーでゼッケン19を纏ったマーチですが、85B-03というシャシーナンバーが示す通り、1985年のヨーロッパF3000用に製作されたマーチ85Bです。現在のオーナーであるTRANSIT engineering JAPANの渡邉氏によると、この個体は1985年シーズンにはマーチのワークスチームとして戦っていたオニクス・レーシングが使用し、エマニュエーレ・ピッロがドライブ。2勝を挙げてシリーズ3位につけています。

翌1986年にはマーチワークスから同じく英国のロニ・モータースポーツに放出されステーブン・アンドスカーがドライブしてヨーロッパF3000の全10戦中5戦にスポット参戦しましたがすべてでDNQ(予選落ち)を喫していました。

1987年以降の参戦記録はなく、1986年の参戦を終えてから日本国内に持ち込まれ、CABIN RACINGカラーに塗られたものと推察されます。星野選手のネームとゼッケン19を纏っていることから、1990年か1992年シーズンのプロモーションに使用された可能性が濃厚ですが、当時の正確な資料が手許にはなく、詳細は不明です。

ちなみに、星野選手はこのCABIN RACINGの時代が最も印象深く残っていて、引退のシーズンとなった2002年のNISMO FESTIVALではCABINカラーを纏ったF3000マシンをわざわざワンオフで用意したようですが、この時のマシンはローラT90/50で、残念ながらゼッケン19を纏ったマーチ85B・DFVが国内で走った記録は残っていません。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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