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世界に10台のみのオースチンヒーレー!「ル・マン スプライト プロトタイプ」をオーナーが購入した動機がなんとも羨ましい

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 佐藤亮太(SATO Ryota)/奥村純一(OKUMURA Jyunichi)/佐藤正勝(SATO Masakatsu)/宮越孝政(MIYAKOSHI Takamasa)

  • 運転席の意匠もスパルタン
  • ブラックのバケットシートを装備
  • ワークスマシンなので仕上げが美しい
  • ロールケージでアクシデントの際に乗員を保護
  • 助手席側のフロアに消火器を積んでいる
  • ブラックのホイールが足もとを引き締めている
  • 富士スピードウェイを軽快に疾走
  • 現車のディテールは愛車をモディファイする際の参考になる
  • Class1にエントリーしたオースチンヒーレー「ル・マン スプライト プロトタイプ」
  • オースチンヒーレー社がル・マン24時間レース用に製作したワークスプロトタイプマシン
  • 1965年のル・マン24時間レースにて総合12位に入り、クラス優勝を果たしている個体
  • 今回は4~5周走ったら異音が発生し始めたのでピットに帰還
  • 1965年式で、このボディが架装されたル・マン スプライトは10台ほど製作されたといわれている
  • 袖ヶ浦フォレストレースウェイ用セッティングのままだったので、富士スピードウェイの長いホームストレートで吹け切ってしまった
  • オーナーの鈴木さんは2002年にスタートしたル・マン クラシックに参戦するために、1965年のル・マン24時間レースに出たル・マン スプライト プロトタイプを購入
  • 1966年にセブリング12時間レースに出たル・マン スプライト プロトタイプのTカーだ
  • 2002年に買ったもう1台のル・マン スプライト プロトタイプも愛用しており、そちらはセブリング12時間レース用のセッティング
  • 日本には現車を含め、3台が生息しているといわれている

10台製作されたうちの1台

去る2023年10月29日に富士スピードウェイを会場として『POWER&TORQUE』という名のイベントが開催され、その中で箱車レーシングカーの走行枠が設けられました。『箱車の祭典2023』と銘打って実施された走行枠に参加していたオースチンヒーレー「ル・マン スプライト プロトタイプ」を紹介します。

箱車の祭典とは?

1990年までの純レーシングカーによるClass1と、1990年までの市販車ベース車両によるClass2が設定され、前者はGr.CカーやGCカーなど、後者はツーリングカー、TS、ワンメイク車両などが対象となった。

日本には3台のル・マン スプライトがある

Class1にエントリーしたオースチンヒーレー「ル・マン スプライト プロトタイプ」は、オースチンヒーレー社がル・マン24時間レース用に製作したワークスプロトタイプマシンで、1965年のル・マン24時間レースにて総合12位に入り、クラス優勝を果たしている個体だ。

箱車の祭典に参加したオースチンヒーレー「ル・マン スプライト プロトタイプ」は既述したように1965年式で、このボディが架装されたル・マン スプライトは10台(9台という説もある)ほど製作されたといわれており、日本には現車を含め、3台が生息しているのだという。

「2002年にスタートしたル・マン クラシックに参戦するために、1965年のル・マン24時間レースに出たル・マン スプライト プロトタイプを購入しました。2002年の第1回大会だけでなく、2004年にもル・マン クラシックに出ましたが、そのときは2002年の経験でもう少し速いマシンが必要だと思っていたこともあり、ル・マン スプライト プロトタイプではなくローラGTで参戦しました」

そのように話してくれたオーナーの鈴木英昭さんによると、箱車の祭典で走らせたル・マン スプライト プロトタイプは2020年に購入したが、2002年に買ったもう1台のル・マン スプライト プロトタイプも愛用しているらしく、そちらは基本的にル・マン仕様と同じだが、セブリング12時間レース用のセッティングになっているそうだ。

「1966年にセブリング12時間レースに出たル・マン スプライト プロトタイプのTカーで、レース後にアメリカのディーラーに売られ、それがオークションに出てきたので買いました。いま、他にもいろいろ持っていて、ブラバムBT5、BT8、ローラT212、フォードGT40なども所有しています。今回、富士スピードウェイを久しぶりに走りましたが、4~5周走ったら異音が発生し始めたのでピットに戻ってきました。袖ヶ浦フォレストレースウェイ用セッティングのままだったので、富士スピードウェイの長いホームストレートで吹け切ってしまいました」

珠玉のクラシックカーを販売するスペシャルショップの代表として宝石のような旧き佳きイタリア車やイギリス車をユーザーに提案しつつ、自身では本物のクラシックレーシングカーを走らせ、その楽しさも伝えている鈴木さんは、日本におけるクラシックレーシングの指南役だ。これからもわれわれにクラシックレーシングカーならではの迫力ある咆哮を聴かせてくれるだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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