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普通の車いすを電動化! ボルトオン型電動車いすユニットは某自動車メーカーの部活動から誕生!?

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

  • このブース内には実機はなかったものの「ハムすた~」についてもパネル解説が展示された
  • コントローラー本体。親指の位置に電源のオン・オフボタンが配置され、Gセンサー、モーター、バッテリーもこの中に内蔵されている
  • 「ついんハム」構成パーツだが、まるで分解したブレーキキャリパーのような形状にも見える
  • 完全介助型ではなく自操式のハンドリムが装着されている車いすなら機種を選ばずに装着ができそうである
  • コントローラーひとつに対し、マブチ540モーターを2基搭載。Gセンサーで本体の傾きを検知し、駆動ローラーを回す
  • シートバックに置かれているのは駆動基盤。最終的にはこれをコントローラーの中に組み込んでコントローラー部だけに一体化することが目標だ
  • YOXOの「@ち~む」出展ブース前のスペースを使用して実際に体験試乗ができる機会も設けられた
  • 実際に「ついんハム」が装着された車いす。コントローラーは左右に一つずつ使用する

ボルトオン型電動車いすユニットが出展

神奈川県横浜市で「YOXO FESTIVAL 2024(よくぞフェスティバル)」が2024年2月3日(土)と4日(日)の2日間にわたって開催されました。これは横浜未来機構が開催するもので、スタートアップによる技術実証、企業や学校、個人、イノベーター、クリエーターによる「未来」をテーマとした展示(ロボット、モビリティ、XR等)、デモやワークショップなどをまとめて行うものです。

自力での車いす移動を考えれば十分な性能

このYOXO フェスティバルには130を超える多くの企業・団体が、横浜市内のみなとみらい地区、新港地区、関内地区10カ所の会場を出展内容でエリア分けし出展していた。横浜ハンマーヘッド1F CIQホールの「ガジェットと魔改造とスタートアップ」エリアでは、普通の自操式車いすに装着して電動で走行できるようにするボルトオン型電動車いすユニットが出展されていた。それが「ついんハム」である。

車いすのハンドリムの部分にコントローラーを装着し、Gセンサーを内蔵したそのコントローラーが角度を検出して、駆動輪を直接ローラーで回して駆動させるというもの。この「ついんハム」を展示していたのは某自動車メーカーのエンジニアとデザイナーによって結成されたチーム「@ち~む」である。

その原理は、「@ち~む」が2016年に製作したボルトオン電動アシストロボット「HAMster(ハムすた~)」が元となる。「ハムすた~」は自転車のタイヤに重りをつけ、その重りの位置でタイヤの接線方向に力が働き、これが駆動トルクになって自転車の駆動をアシストするというもの。この重りの役割はモーターとバッテリーが担い、それらの自重を利用してタイヤの駆動トルクにするわけである。ちなみにこのHAMはHillclimb Assist Motorの頭文字から取られている。

「ついんハム」は、「ハムすた~」を車いすに装着して車いすの電動化を図るという展開でたどり着いたものである。コントローラーを左右両輪に装着。前に傾けると前進し、後ろに引くと後進することになる。車いすを触ったことがある人ならわかるがきわめて直感的に操作が可能という操作方法といえる。

左右の操作によって直進であったり、右左折であったり、さらにはその場での転回なども可能となる。左右が完全に独立していることで、路面の傾きによる片流れも抑えながらの直進などにも対応が可能なのだ。まっすぐに走行することについては慣れも必要となってきそうではあるが……。

2018年にはプロトタイプができているが、現在はそこからアルミシャシー化、そしてギヤボックスの防塵防滴仕様化、手を離すと自動でブレーキがかかる安全装置の装備などの進化を続けている。使用しているのは、ラジコンなどに使われるモーターやバッテリー。まだ駆動基盤がシートバックに置かれている状態だが、最終的にはこれをコントローラーの中に組み込んで一体化したいという。

モーターやバッテリーは小さいが、それでも十分なトルクを発揮する。ただ登坂能力については「なだらかなスロープならばなんとか」といったところだが、それでも自力での車いす移動を考えれば十分ではないかと思う。

YOXOの会場では来場者に対して試乗体験を行っていた。もちろん、まだまだ先は長いかもしれないが、それでも早期の市販化を期待したい。

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