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バブル期の憧れのフェラーリが1870万円! 世界のスーパースターがこぞって買った「テスタロッサ」が狙い目です

バブル期の憧れのフェラーリが1870万円! 世界のスーパースターがこぞって買った「テスタロッサ」が狙い目です

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

タマ数は豊富なので、まずは日本国内で探した方がベター?

「MIAMI 2024」オークションに出品されたフェラーリ テスタロッサは、1987年型。「F113A」型エンジンや、センターロックのホイールハブを特徴とする前期モデルである。

アメリカ合衆国におけるユーズドカーの履歴を調べられる「カーファックス・レポート(Carfax Report)」によれば、この個体はフロリダ州で新車登録されたのち、現在に至るまでのほとんどの時期をフロリダ州で過ごしたようだ。

また、過去少なくとも25年間はオーナーが変わっておらず、RMサザビーズが公式オークションのウェブカタログを作製した段階での走行距離は1万2000マイル以下、つまり総マイレージは2万kmにも満たないことになる。

その走行距離を証明するように、1980年代のフェラーリを象徴するカラーコンビネーション、「ロッソ・コルサ(レーシングレッド)」のエクステリアと、英国「コノリー」社製「ネロ(ブラック)」レザーのインテリアは、ともに保存状態が良く、ボディ全身に特徴的な艶が見られる。ただし写真を見る限りでは、前期型テスタロッサに純正装備のスピードライン社製センターロック式アロイホイールは、ちょっと派手な塗り分けが施されているかに映る。

いっぽうメカニカルパートについては、近年になってエンジンを降ろしてサービスが施されたとのこと。さらに、つい最近エンジンオイルも交換されていることから、機械的なコンディションは万全とアピールされていた。

1980年代のミッドシップV型12気筒スーパーカーにおける不朽の伝説を、フェラーリのもっとも象徴的なカラースキームで体現した素晴らしい1台であることは間違いなく、このまま公道で楽しむにも、さらなるレストア車両のベースとしても素晴らしい候補とのこと。そんなテスタロッサに、RMサザビーズ側ではオークション出品者でもある現オーナーとの協議の末に、12万ドル~14万ドルというエスティメート(推定落札価格)を設定することにした。

そして迎えたオークションの日、このテスタロッサは12万3200ドル、つまり日本円に換算すると約1870万円で落札されるに至ったのだ。

現在の国際マーケットにおけるテスタロッサについては、1984年から1991年までに7177台が生産され、現在でも出回っている台数はかなり多いぶん、コンディションの水準もピンからキリまである。それらの要素を加味して、10万ドルから20万ドルというかなりレンジの広い相場価格が成立しているようだ。

そのかたわら、たとえば2024年1月の「グッディング&カンパニー:アメリアアイランド」オークションにて、走行距離にしてわずか208kmの1989年型テスタロッサが34万8750ドルで落札されたこともあったが、それは完全なイレギュラー。突発的な事例といわねばなるまい。

ともあれ、今回はこうして海外オークションのリザルトをお伝えしたのだが、もしも覚悟を決めてテスタロッサを入手すると決意したとしても、まずは日本国内で条件の良い個体をじっくり探すほうが得策であろう。かなりの台数が海外に流出したとはいわれるものの、それでも日本国内にテスタロッサのタマ数は、比較的数多く残されていると思われるからである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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