オークション開催前から注目の的だった
今回ボナムズが、「AMG リディスカバード・オンライン・パート1」と題して開催したオークションに出品した1983年式の190Eは、まさにAMGによるシャシー&スタイリング・チューニングを受けた1台で、1983年のIAA(フランクフルト・ショー)に出品されたモデルそのものと考える識者もいる。
搭載される2Lの直列4気筒エンジン(M102型)や、それに組み合わされる4速MTなど、ドライブトレインにはAMGの手は加えられていないが、特徴的なリアのフレアフェンダーや、こちらは特注品となるフロントフェンダー。16インチ径のAMGオリジナルホイールとピレリ製のPゼロ・ハイパフォーマンスタイヤ等々で武装された外観は、ノーマルの190Eよりもはるかに戦闘的な雰囲気を強めているのが分かる。
インテリアのフィニッシュもじつに魅力的だ。グレーのファブリックでトリミングされたレカロ製のシートや、4本スポークのAMG製ステアリングホイール、そして高級感を効果的に高めてくれるウッドトリムも装備されている。冒頭で触れたバンク・ヴォールトは、さらに美しくラグジュアリーな空間を持つものへと姿を変えたのだ。
まさに1980年代のAMGモデルを象徴するかのような190Eには、オークションの開催前から多くの注目が集まっていたようだ。ボナムズが掲げたエスティメート(推定落札価格)は2万500ドル〜3万5000ドル(邦貨換算約395万円〜553万円)となっていた。それを証明するかのように最終的な落札価格は4万3700ドル。当日のレートで約698万円という数字を記録することになった。
メルセデス・ベンツのヤングタイマーとして、190E、そしてAMGのブランドはこれからも主役のひとつであり続けるのだろう。
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