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野武士のようなBMW E36「3シリーズ」はサーキット仕様でまもなく19万キロ!「318is」の前期後期2台体制で楽しんでます

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 神村 聖(KAMIMURA Satoshi)

  • BMW E36型 318is:2018年に入手した個体で基本的にはサーキット走行用とのこと
  • BMW E36型 318is:エンジン特性をコントロールするDME(Digital Motor Electronics)にも手が入れられている
  • BMW E36型 318is:サンルーフは剛性アップのためFRPで塞いでしまっている
  • BMW E36型 318is:前後のバンパーには牽引フックが取り付けられている
  • BMW E36型 318is:延長されたステアリングコラムにバケットシートがサーキット仕様を物語る
  • BMW E36型 318is前期型のオーナー岸田宇広さんは、318is後期型も所有しているとのこと
  • BMW E36型 318is:熱抜きの開口部が設けられたカーボン製のボンネットはクリア塗装もまだら

細かい凹みや傷はサーキットで付いた名誉の勲章

2024年10月27日、富士スピードウェイで盛大に開催された「AUTO MESSE REAL」。そのイベント内イベントとしてBMW専門誌『BMW LIFE』が企画したのが「BMW LIFE owner’s meeting」です。今回はその会場から、野武士のような迫力の佇まいが印象的なE36型「3シリーズ」のオーナーに話を聞いてみました。

BMW LIFE owner’s meetingで異彩を放っていた318is

イベントで見かけるBMWオーナーの愛車といえば、純正オリジナル派から華やかなカスタム派まで、あるいは新旧年式を問わず、趣味趣向を問わず隅々にまで手入れが行き届いた隙のない仕上がりという印象が強い。まるでショールームかモーターショーの会場からそのままやってきたかの如く。

今回「BMW LIFE owner’s meeting」のイベント会場となった富士スピードウェイの第7駐車場には、そんな磨き上げられた歴代BMWが日本全国から100台近くも集まったのだが、その中にあって異彩を放っていたのがこちら。お世辞にもショールーム・コンディションとは言い難いが、たとえるならばまるで野武士のような迫力の佇まい。

E36 318isの前期後期の2台体制

「基本的にはサーキット走行用です」

と語ってくれたのは、こちらの1995年式E36型「318is」前期型のオーナー、岸田宇広さん。

「じつはもともと、このクルマの他に318is後期型も所有していて、前期型にも乗ってみたいと思っていたところ、後輩が手放すというので手に入れることになりました」

というわけでE36 318isの前期後期の2台体制。サーキットでラップタイムを削るためのスポーツ・ギアとしてともに人生を歩む相棒だ。

この318is後期を購入したのは2018年のことで、その時点で走行距離は13万km以上だったそうだが、現在はさらに距離を伸ばし、オドメーターの数字はもうすぐ19万kmという。「BMW乗りの友人に会いに、栃木の自宅から九州まで自走していったのもいい思い出です」

剛性アップのためサンルーフは塞いである

熱抜きの開口部が設けられたカーボン製のボンネットはクリア塗装もまだら。サンルーフは剛性アップのためFRPで塞いでしまっている。フェンダーなどの細かい凹みや傷はサーキットで付いた名誉の勲章だ。

低く身構えたスタンスや前後のバンパーに取り付けられた牽引フック、車内に目を転じれば延長されたステアリングコラムにバケットシートと、サーキット走行用車両ならではの「兵器感」を醸し出している岸田さんの318isは見た目よりも中身。

エンジン特性をコントロールするDME(Digital Motor Electronics)にも手が入れられていて、岸田さんはこう語る。

「今後はエンジン本体のチューニングもやってみたいですね」

世間的には「高品質でおしゃれな輸入車」として認知されがちなBMW。その一方で世界中のツーリングカー・レースで数多のライバルたちと激しいバトルを繰り広げてきた武闘派スポーティ・サルーンを生み出し続けてきたメーカーでもある。そんな硬派でバンカラなBMWの血統を改めて思い出させてくれる、岸田さんのサーキット・マシンであった。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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