プロトタイプがオークションに登場
2024年11月23日にRMサザビーズがドバイで開催したオークションにおいてメルセデス・ベンツ「SLR マクラーレン ロードスター デザイアー by FABデザイン」が出品されました。1997年にスイスで設立されたFABデザイン社が、SLR マクラーレン ロードスターをベースに「デザイアー(Desire=願望、欲求)」というネーミングを与え15台の限定車を製作。そのプロトタイプがオークションに登場しました。
SLRの名が2003年に復活!
メルセデス・ベンツから「SLR マクラーレン」とネーミングされたスーパースポーツが初公開されたのは、2003年の秋に開催されたジュネーブ・ショーでのことだった。「SLR」という車名がメルセデス・ベンツの歴史にとっていかに重要なものなのかは、それを見る者の大多数が知るところであったのは当然だが、それだけの知識を持つ者はまた、将来的にSLRのラインアップには、オープン仕様の「ロードスター」が追加設定されることも容易に想像することができただろう。
実際にはSLRにロードスターが加わるのは、クーペの誕生から4年という時間を経過してからのことだったのである。もしかしたら現代のSLRには、ロードスターは存在しないのでは。そのような疑念さえ持つ者も、この頃になると少なからず存在したに違いない。
だが2007年、ようやく姿を現したロードスターは、クーペと変わらない運動性能と、オープンカーならではの爽快感や華やかさを兼ね備えた、じつに魅力的なモデルとして仕上げられていた。フロントに搭載されるエンジンは、もちろんメルセデスAMGがその開発に深く関与した、5.5LのV型8気筒+スーパーチャージャー。最高出力と最大トルクはそれぞれ626ps、780Nmと発表され、オープン化と引き換えに失う剛性や安全性を確保するための補強を行っても、車重は1825kgに抑えられていた。その存在が多くの者を刺激したのは当然の結果である。
SLR マクラーレン ロードスターに興味を抱いたのは、いわゆるチューニング・メーカーも同様だった。ここで紹介するSLR マクラーレン ロードスターをベースとしたコンプリートカーを製作したのは、1997年にスイスで設立されたFABデザイン社。彼らがチューニングの素材とするのは、メルセデス・ベンツやポルシェ、あるいはマクラーレンといった高級スポーツカーだが、コンプリートカーに関しては、その生産台数を1車種あたり10台程度に絞り込むことで、希少性を大きなセールスポイントとしている。
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