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SUVに合わせてプジョーの「ネコ脚」も進化!? 新型「2008」は走りでもジェントルな魅力が増していました…積極的に選びたくなる1台

SUVに合わせてプジョーの「ネコ脚」も進化!? 新型「2008」は走りでもジェントルな魅力が増していました…積極的に選びたくなる1台

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)

SUVだって、ディーゼルだってプジョー伝統の「ネコ脚」は健在?

「プジョーの乗り味ってのは、昔から“ネコ脚”と言ってたな……」。そんなつまらないウンチクを滔々と語りたがる面倒くさいクルマ好きオジサンが、もしかしたら貴方の周囲にもいらっしゃるかもしれない。自分では認めなくもないのだが、たぶん筆者もそんなひとりなのだろう。

たしかに前世紀後半、1960年代から1990年代のプジョーは、ミドル級の「504」や「505」のみならず、小型の「205」や「306」であっても、しなやかでコシのあるサスセッティングを身上とし、それが「ネコ脚」なる愛称のもとにプジョーの代名詞にもなってきた。

しかし、構造上重心が高くなるSUV。しかもコンパクトモデルと「ネコ脚」は、どうあっても相性がよろしくないはず……? などと予測していたはずが、いざ2008を走らせてみると、これがなかなか良いのだ。

今回テストドライブの機会を得たのは、今やコンパクトSUVでは稀有な存在となったターボディーゼルの「2008 GT BlueHDi」。最高出力はガソリン版と同じ130psながら、1750rpmで発生する300Nmという野太い最大トルクを生かして、1320kgという今どきの常識では軽めのボディを驚くほど軽快に走らせる。

またスロットルレスポンスがシャープなことも、軽快感を増進させる重要な要素。アクセルを踏み込めばそれなりに排気音も高まるものの、ガソリンエンジンと大差ない軽妙なサウンドは、内燃機関の味わいを色濃く感じさせてくれる。

ジェントルな魅力を大いに増進させている

しかし、この軽めの車重がなにより生かされていると感じられた要素は、じつに軽快なフットワークである。近年のプジョーではおなじみの超小径ステアリングは、かなりクイックで正確。そして操舵に応じて、車体全体が迅速かつ安定した挙動をみせる。くわえて、スピードレンジを問わず乗り心地は良好で、ロードノイズや不快な振動もかなりのレベルまで抑えられているから、コンパクトSUVなのに上質感もある。

同じステランティスで基本構造を共有するシトロエン「C3 エアクロス」に対して、走りのテイストでも作り分けなければならないという困難な命題についても真摯に向き合ったようで、あくまで「SUVにしては」という条件つきながら、プジョーの旧き良き伝統であるネコ脚と言えなくもないのだ。

そもそも、すべての猫がしなやかで上品な動きをするとは限らず、たとえば拙宅のオテンバ娘たちのように、やたらと活発に部屋中を飛び回る猫なんて珍しくもない。だからこの新型2008もまた、プジョーの伝統を拡大解釈した「新時代のネコ脚」と断じさせていただくことにした。

ただし、ここで正直な心情をいってしまうと、かつてピニンファリーナがデザインワークを担っていた時代の端正なプジョーが好きな筆者には、いささかエッジィな印象を強調しているかのように映る現行の4ケタモデルには、いささかついてゆけない感覚もあった。でも、新型2008と実際に対面し、思う存分に走らせるというプロセスを経て大いに見直すとともに、急速に魅力的な存在とも感じられている。

さらにいえば、マイナーチェンジによってブラッシュアップされたマスクは、従来型2008に比べると格段に端正で、あくまで筆者の私見ながら往年のプジョー的にジェントルな魅力を大いに増進させているかにも映る。

とくに、わが国においてプジョーを長年支持してきた「コニサー(通人)」的なフランス車ファンにとっても、新型2008には積極的に選びたくなるだけの魅力がある。今さらながら、そう思うのである。

specifications

■PEUGEOT 2008 GT BlueHDi
 プジョー 2008 GT ブルーHDi

・車両価格(消費税込):457万3000円
・全長:4305mm
・全幅:1770mm
・全高:1580mm
・ホイールベース:2610mm
・車両重量:1320kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:1498cc
・エンジン配置:フロント
・駆動方式:FF
・変速機:8速AT
・最高出力:96kW(130ps)/3750rpm
・最大トルク:300Nm/1750rpm
・燃料タンク容量:41L
・公称燃費(WLTC):20.8km/L
・サスペンション:(前)マクファーソンストラット、(後)トーションビーム
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前&後)215/60R17

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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