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マクラーレン「セナGTR」が不本意な1.5億円! 75台限定、走行距離871キロでも「サーキット専用モデル」は市場では人気薄か

マクラーレン「セナGTR」が不本意な1.5億円! 75台限定、走行距離871キロでも「サーキット専用モデル」は市場では人気薄か

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

オプション装備も非常に充実した1台

再設計されたフロントのスプリッターの外側のエッジには空気の渦を発生させる装置が取り付けられ、車体下部のエアの流れはよりスムーズなものになった。リアウイングのデザインも一新され、250km/h走行時のダウンフォースは、スタンダードなセナが792kgであったのに対して、このGTRでは1000kgを得るに至っている。

そして驚くことにGTRでは、ドラッグの悪化はない。基本構造体となる「モノセルIII」も標準のセナと同様だが、フロントトレッドはやや広がり、ホイールはさらに軽量な鍛造アロイホイールに、タイヤはスリック、もしくはピレリ製のPゼロに改められた。これらの改良の結果、とくにメカニカルグリップの優劣が重要となる低速域でのコーナリングがより魅力的なものになっているのだ。

サーキット走行のために最適化された変更点はコックピットにも及んでいる。エアバッグやハンドブレーキは取り外され、代わりにFIA公認の6点式レーシングハーネスやデータロガー、カー・トゥ・ピット無線システムなどが装備された。ガラスはプレキシガラスに変更されている。

強気なエスティメートだったが……

今回RMサザビーズのアリゾナ・オークションに出品されたセナ GTRは、納車以来の走行距離がわずか871kmというもの。オプション装備も非常に充実しており、マクラーレンからの売却当時の資料によれば、希望小売価格の178万ドルに加えて、MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーション)を通じて7万5000ドル相当のオプション装備が採用されている。

アイルトン・セナのヘルメットからインスピレーションを得たというボディカラーもきわめて魅力的なこの2020年式のセナ GTR。RMサザビーズは110万~130万ドル(邦貨換算約1億7158万円~2億277万円)と強気なエスティメート(推定落札価格)を示していたが、最終的な落札価格は97万3000ドル(同1億5177万円)にとどまった。やはりオンロードを走行できないサーキット専用車は、なかなか手が出しにくい存在といえるのだろうか。もちろんこれからの価値の上がり方には、十分にそれが期待できると評しておきたいところなのだが。

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