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90年代ホットロッドのプリマス「プロウラー」の試作モデルに運よく試乗…見た目とは裏腹に普通の乗り味でした【クルマ昔噺】

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)

シャシーとボディはアルミ製!

試乗にあたり注意されたことは、見ようと思って寄ってくる、周囲のクルマとの接触に気を付けてくれというものだった。

最高出力217ps/5850rpm、インパクトのあるパフォーマンスかといえばそれはノーである。おまけにこのエンジンと組み合わされるトランスミッションはATしか用意されない。このあたりはいかにもアメリカ的でこだわりを見せないが、そのATがオートスティックと呼ばれる、ポルシェティプトロニックのような、マニュアルシフトを可能にするATだったことで多少救われている(当時は最新鋭だった)。

それよりも驚かされたことはその作りである。当時350万円程度で販売することを目論んでいる……と聞いて全体の作りはあまり期待していなかったのだが、シャシーはオールアルミ製。フロントサスペンションはインディカーと同じプッシュロッドタイプのダブルウィッシュボーンを採用していた。そしてボディもサイクルフェンダーを除けば他はすべてアルミ製となっていた。

さらにリアブレーキローターがアルミ製。ダッシュボードのフレームはなんとマグネシウム製と来た。パワーユニットこそ、当時LHと呼ばれたコードネームを持つモデル用の3.5L 24バルブV6だが、トランスミッションとディファレンシャルはひとまとめにしてリアに搭載したトランスアクスル方式を採用していたのである。内容的には凝りに凝って作られていながら、驚いたことに既存モデルからの流用パーツが全体の45%を占めることで、コストを圧縮していた。

例を挙げるとリアサスペンションはLHカーからの流用、ステアリングは当時のジープ「グランドチェロキー」用、エクステリアドアハンドルはこれもLHカーの流用、インナードアハンドルはダッジ「バイパー」用を逆さに装着、パワーウインドウスイッチは当時のダッジ「ラムトラック」用、ヒーターACユニットが当時のクライスラー「ネオン」用などである。

乗り味は至って普通だった!?

大いに期待をして試乗はしてみたものの、そこそこの乗り心地と、そこそこのパワー、かなりシャープなハンドリングという印象を得たが、外観の圧倒的存在感からすれば、乗り味は至って普通。バイパーと違ってわずか5年で姿を消した背景は、普通すぎる走りのイメージにあったのかもしれない。とはいえ、狭いエンジンベイにV8を積むのは不可能だし、言わんやV10など望むべくもない。でも、ユニークで貴重な存在だったことは間違いない。その後、生産型にもアメリカで試乗したが、プロトタイプとの大きな違いはなかった。まあ、乗れたこと自体が財産かもしれない。

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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