2025年のハウス・チャリティに選ばれたのは…?
2025年1月28日、ロールス・ロイスは全従業員による推薦と投票により決定される「ハウス・チャリティ」で、2025年は認知症のサポート施設「セージ・ハウス」を選出したと発表しました。これにより、今後1年間を通じてこの施設への募金活動が実施されます。2025年の取り組みについて紹介します。
認知症患者のためのさまざまなサポートを行う慈善団体が選出
今回選出された「セージ・ハウス」は、グッドウッドにあるロールス・ロイスの本社からわずか数分のウェスト・サセックス州タングミアに位置し、認知症患者のためのさまざまなサポート、指導、ケアサービスを提供している施設である。
家族が認知症になった経験を持つ地元の人々によって2014年に設立されたセージ・ハウスを運営する慈善団体は、NHS、ウェスト・サセックス州議会、その他の法定団体、ボランティア団体、慈善団体と緊密に協力している。
オープン以来、この慈善団体は何千もの家族の生活にプラスの影響を与え、2024年だけでも3000人以上の人々にアドバイスや精神的サポートで支援し、介護者のためのレスパイトケアを3600回以上実施し、心身の健康を促進する活動を約600回開催した。
2024年に選出された慈善団体とは
チチェスター大学による調査によると、セージ・ハウスを利用する認知症患者は生活の質が向上し、生活満足度が高いことが報告されている。また、このような必要不可欠なサービスをひとつ屋根の下に集めることで、医療・社会福祉経済を毎年1人あたり1700ポンド(約33万円)以上節約することにも役立っている。
ロールス・ロイスのスタッフは、2003年に初めて設けられた推薦・投票プロセスを通じて、毎年新しいハウス・チャリティを選んでいる。彼らは年間を通して募金イベントを開催し、つねに地元の活動に多額の寄付金を集めている。
2024年に同社のスタッフは、自閉症、自閉スペクトラム症、ダウン症、身体障害を持つ1500人以上の人々を支援するアルディングボーン・トラストのために募金活動を行った。この慈善団体は、グッドウッド近郊にある人気の観光名所であり会議場でもあるアルディングボーン・カントリー・センターを通じて、社会事業やトレーニングなどの活動を行っている。
AMWノミカタ
ロールス・ロイスは2003年以降、全従業員の推薦と投票で募金活動をする団体を決めているという。このハウス・チャリティが20年以上続いていることはじつに素晴らしいことである。
ここ数年でいうと、2019年はアラン地区、ワージング地区、アダー地区に住む家族の福祉を促進。また家庭内のストレスや対立を軽減し、家庭の危機や崩壊を防ぐことを目的として設立されたホームスタート アルンを選出し、2021年はイースト・サセックス、ウェスト・サセックス、ブライトン・アンド・ホヴ、ハンプシャー州に住む病気を持つ子どもたちのケアを提供する小児ホスピス「チェスナット・ツリー・ハウス」を選出。
2022年は、生命を脅かす病気を持つ子どもたちに自宅での看護ケアを提供する慈善団体「サセックス・スノードロップ・トラスト」、2023年はがんと闘う子どもたちとその家族を支援する「ソフィーズ・レガシー」への支援を行った。
従業員たちが推薦し、投票するという仕組みも素晴らしい。なかには従業員自身の抱えている問題もあるであろう。地元に潜むたくさんの問題を従業員のたくさんの目で可視化し、みんなに自分たちの問題と気づかせ、意識を高めて支援するという一連の流れが、支援する側にもされる側にも大きなメリットをもたらすように感じる。ロールス・ロイスの行う幅広い社会貢献活動に敬意を示したい。