2つのグループに分かれることに
暗い気持ちで初日の夜を過ごした4人だったが、次の日、近くのシャーロット湖に移動すると、ようやく景色を楽しむ余裕が出てきた。どこまでも透明な水、素晴らしいサンセット、そびえる山の勇ましい姿、どこまでも爽やかな空気。「もう歩けない」と弱音をはいていた原田さんの表情にも明るさが戻った。
2日目夕方の作戦会議で、ある結論が出た。ぼくはRae Lakes Loopに戻って行けるところまで行く。ほかの3人は重い荷物をテントに置いて、小さなデイパックに必要なものだけを入れて近くをハイキングする。つまり2つのグループに分かれることになった。待ち合わせは5日後の9月5日、キアサージュパスの途中にあるギルバート湖だ。
3日目の朝、みんなに見送られて出発。これから丸4日間は完全にひとりきりだ。することは同じでも、仲間が一緒にいるといないとでは、やはり緊張感が異なる。気持ちを引き締めてトレイルを歩き始めた。
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