MSOによって製作された1台だった
だが読者の皆様には申し訳ないが、ここまでは今回のレポートでは、あくまでも前置きにすぎない。ここで触れなければならないのは、ボナムズが先日スコッツデール・オークションで出品した、「SLRマクラーレン エディション」。わずか25台がSLRシリーズの生産終了後に、マクラーレンのパーソナライズ部門、MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)によって製作されたモデルだ。
つまり一度ウォーキングのファクトリーから出荷されたモデルをベースに、さらにカスタマーの好みを反映させ、満足感を高めるプログラムを、マクラーレン、そしてMSOは持っていたということなのだ。
このSLRマクラーレンのオーナーは、2011年にアメリカから再びウォーキングにクルマを送り返し、新しいフロントバンパーとスプリッター、再設計されたシルパネル、新しいリアバンパーとディフューザー、改良され再調整されたリアエアブレーキ、ルーバー付きトップシェルなどを装着。このパッケージによって空気抵抗は2.5%減少したという。前後のホイールが722エディション用のブラッククローム仕様とされ、またチタン製のエグゾーストシステムにも、やはりブラッククローム仕上げのチップを取り付け、オリジナルのものから30kgもの軽量化を実現している。
大胆なコントラストが印象的な内外装のフィニッシュ
サスペンションのセットアップも最新のものに変更した。車高は10mm低下し、改良されたダンパーやステアリングによって、ハンドリングをよりシャープなものにするプログラムが採り入れられている。オックスブラッド・レッドのレザー・インテリアと、キロ・グレーによる大胆なコントラストが印象的な内外装のフィニッシュも、このSLRマクラーレン エディションによって可能となったものであるのは容易に想像できるところである。
この素晴らしいSLRマクラーレン エディションは、その仕様頻度は限られたものであり、さらに25台という希少価値を考えると、特別なSLRマクラーレンのバリエーションを手に入れる特別なチャンスといえるだろう。参考までにボナムスが示したエスティメート(予想落札価格)は、72万5000〜82万5000ドル(邦貨換算約1億1309〜1億2868万円)という数字。じっさいの落札価格は、そのレンジにはやや届かなかったものの、71万5000ドル(邦貨換算約1億1153万円)という結果になった。SLRの人気はまだまだ続きそうだ。
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