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約56億円で落札されたフェラーリ「250LM」とは? ル・マン24時間で優勝したマシンそのものでした…「ヒストリー」付き跳ね馬は別格です

約56億円で落札されたフェラーリ「250LM」とは? ル・マン24時間で優勝したマシンそのものでした…「ヒストリー」付き跳ね馬は別格です

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

輝かしいリザルトも評価された

今回パリ・オークションに出品された250LMは、長くアメリカのインディアナポリス・モーター・スピードウェイ・ミュージアムによって保管されていたシリアルナンバー「5893」。トータルで32台が製作された250LMの中では6番目に製作されたモデルで、250LMにとっては2回目の参戦となった1965年のル・マン24時間レースにNARTからエントリー。

ちなみにこの年の同レースには、ほかにエキュリー・フランコルシャンのシリアルナンバー「6023」「6313」、マラネロ・コンセッショネアーズの同「5895」、スクーデリア・フィリビネッティの同「6119」といった250LMのほかに、ワークスからの2台の「330P2」や「275P2」、さらにはGTのニューモデルとなる「275GTB」など、合計で12台のフェラーリがエントリーしていた。

フェラーリにとって直接のライバルとなったのはもちろんフォード。そして激しい耐久戦の中、最初にチェッカーフラッグを受けたのが、NARTのシリアルナンバー「5893」、つまり今回の出品車だったのだ。ドライバーはヨッヘン・リントとマスティン・グレゴリー。オークションで車両のコンディションとともに、そのリザルトが高く評価されたことは間違いのないところだろう。

シリアルナンバー「5893」は1970年のデイトナ24時間レースまでNARTによるレース参戦を続け、その後前で触れたインディアナポリス・モーター・スピードウェイ・ミュージアムに安住の地を得る。

オークションは、100万ユーロ(邦貨換算約1億6156万円)からスタート。入札がどんどんされていき、最終的には落札価格3488万ユーロ(邦貨換算約56億円)でハンマーが打たれた。この落札金額は、同ミュージアムの修復活動と今後のコレクションに使用される予定で、車両は一度マラネロのフェラーリ・クラシケに持ち込まれた後、新たなオーナーのもとへとデリバリーされることになるという。

参考までにRMサザビーズが2日間のパリ・オークションで成約した総額は6907万3275ユーロ(同約110億700万円)。落札率は89%という数字に達している。

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