あまり見かけない4代目フロンテの初期モデル
1973年に発売されたスズキ4代目「フロンテ」は、サブロク時代のナローボディと軽自動車規格改正以降のワイドボディが存在しますが、いずれも旧車ミーティングでもなかなかお目にかかれないレアな存在です。そんなレアなクルマを8年前に入手したオーナーに、維持し続けるうえでの苦労話を伺ってきました。
サブロク終焉期に登場した2ストロークエンジン車
2024年12月15日(日)に東京・奥多摩湖で行われた「東京旧車会ミーティング」で、サブロク時代の小板軽ナンバーを掲げた1台を発見。フロントグリルにスズキのエンブレムが装着されていることから、フロンテのようだ。いずれにせよあまり見かけないクルマでありながら、ボディの状態が驚くほど良い個体。そこで、オーナーの小鳥さんに話を伺った。
「このクルマは1973年式のスズキ 4代目フロンテの2ドアセダンで、大阪のカーショップで8年ほど前に入手しました。記録を調べたところ、2005年から眠っていたようでボディの状態は非常に良好でした。この4代目フロンテは1973年にデビューしましたが、すぐに軽自動車の規格が拡大されたため旧規格のボディサイズで水冷360ccエンジンを搭載するのは最初の3年間のみ。非常に貴重なモデルです」
直線基調でシャープなデザインだった先代モデルから一転、4代目フロンテは丸みを帯びたオーバルシェルスタイルへと変化した。水冷2ストローク360ccエンジンを搭載し、リアバンパー周辺にはエアスリットが設けられている。また4ドアモデルが設定され、広い室内空間を売りにしていた。

フロントフード内だけでなく、リアのエンジン上にもラゲッジスペースを確保している。リアゲートは備わらないものの、ガラスハッチを開けてアクセスできる仕組みだ。ちなみに、この4代目と3代目のフロンテはサイドミラーの取り付け位置が特徴となっている。よく見るとフェンダーではなくボンネットに装着されている。当然ながら、ボンネットを開閉するとミラーごと持ち上がる構造となっている。
マイナー車ならではの苦労の連続
購入してからの8年間は、小鳥さんにとって決して順調ではなかった。3年前にはエンジンブローを経験し、エンジン探しに苦労したという。最終的にはフロンテクーペに搭載されている同型エンジンに載せ替えて対処したそうだ。そのほかにも、ショックアブソーバーが抜けてしまったものの純正品は入手できなかった。形状から類推し、フロントにはローバー「ミニ」用、リアにはショーワ製の社外ショックを流用している。
「古いサブロクのマイナー車種なので、維持はかなり大変です。イベントでも同じ車種を見かけないし、クラブも存在しません。仲間がいないのは結構寂しいんですよ(笑)。冷静に振り返ると苦労ばかりですね。でも、自分にとって初めての旧車だし、これからも乗り続けていくつもりです」
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)



























































