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スーパーカーブーム時代の「BB」がベースなのに不人気!? たった16台しか存在しないフェラーリ「512BB/LM」でもアクが強すぎるルックスが原因か?

スーパーカーブーム時代の「BB」がベースなのに不人気!? たった16台しか存在しないフェラーリ「512BB/LM」でもアクが強すぎるルックスが原因か?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

WEC公式戦で複数のクラスウィンを得た伝説のフェラーリとなる

「スクーデリア・ベランカウト」のフェラーリ512 BB/LM、シャシーNo.#35529が次に公式レースに姿を現したのは、エンナ6時間における活躍から1年以上が経過したあと。1982年9月に開催された「ムジェッロ1000km」レースでのことだった。

新生「FIA世界耐久選手権(WEC)」第6戦として開催されたこのレースには、パトレーゼやアレッサンドロ・ナニーニ、ミケーレ・アルボレートがワークス参戦した「ランチアLC1」が3台、アンリ・ペスカローロとボブ・ウォレックがワークス参戦した「ポルシェ936C」が1台エントリーしていた。このような強敵ぞろいにもかかわらず、ヴィオラーティ/トリュフォ組は奮闘の末、総合10位でフィニッシュ。再びGTXクラスウィンの栄誉を手にした。

1984年、スクーデリア・ベランカウトはこのフェラーリ512 BB/LMとともに、再びル・マンに登場。この年の布陣はマウリツィオ・ミカンジェーリ、ロベルト・マラッツィ、ドミニク・ラコーの3人だった。ヴィオラーティが所有するミネラルウォーターブランド「フェラレッレ(Ferrarelle)」のスポンサーシップを受け、マシンは現代的でファニーなカラーリバリーとなったものの、レースはスタート後わずか6時間でトランスミッションの故障により、残念ながらリタイヤに終わってしまう。

1984年9月16日、マルコ・ミカンジェーリとマウリツィオ・ミカンジェーリ、そして 「ジェロ(Gero)」の3人は、#35529を駆って「イモラ1000km」に出場する。そのシーズンのWEC選手権ヨーロッパ最終戦として開催されたこのレースには、「ポルシェ956C」が10台、「ランチアLC2」が4台体制でエントリーしており、フェラーリ512BB/LMの旧態化を浮き彫りにしていた。

それでも予選では23番手と健闘したものの、91周目まで走ったところでエンジントラブルによりリタイヤ。それがシャシーNo.#35529にとって、最後の公式レース参戦となってしまう。

そして現役時代のレーシングキャリアを終えたのち、シャシーNo.#35529はファブリツィオ・ヴィオラーティが2010年に亡くなるまで彼のもとに保管され、最終的には2014年に彼の遺族から放出されることになったのである。

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